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人々が魅了されるUAEの魅力とは vol.5

人々が魅了されるUAEの魅力とは vol.5

ゴールデンビザ(長期居住VISA)について、こちらも少しVol.2で触れたのですが、今回は他国のVISA事情とも比較しながら詳しく解説していきたいと思います。

よくドバイ(UAE)と引き合いに、海外不動産や移住先として話題に上がることが多い、タイ、フィリピン、マレーシアあたりと比較していきましょう。日本より物価が安い東南アジアであれば、暖かい気候のもと生活水準まで上げて生活できると思うと、夢は膨らみますよね。年収がそこまで高くないかたでも、物価面で考えると、タイやフィリピンあたりで移住を検討しているかたは多いのではないでしょうか。とは言えここ最近、タイの物価も上がってきていますので、ひと昔前ほどは安く感じれないかもしれませんが。

まずタイの居住VISAについて、当時2003年発行当初は日本円にして約400万円ほどで、生涯有効の旧“タイランドエリート”が買えてしまうということで大変人気だったのですが、その後改訂も経て昨年の10月(実質2023年9月16日の申し込み分)から大幅な値上げが発表され、改悪すぎると話題になりました。2003年~2006年4月1日以前に発行されたもの、2006年4月1日~2023年9月中旬以前に発行されたもの、そして2023年10月以降現在も発売中のものとで、その金額や内容がかなり異なります。中でも初期の2006年4月1日以前に発行された旧タイランドエリートは、非常に優れた内容だったため(オフィシャルでは現在購入できませんので、所持しているオーナーとの個人間で)現在は高額なプレ値で取引されているほどです。一方後者である現“タイランドプリビレッジ”は、安いもので日本円にして前者と同じく400万円ほどで取得できますが、期間がわずか5年であったり、どうしても改訂された内容が旧タイランドエリートと比べて劣ります。(50歳以上であれば、安くリタイアメントVISAを取得することは可能ですが。)

次にフィリピンの投資家用特別居住VISA “SIRV”は、フィリピン国内での投資額7万5000米ドル(日本円にして約1100万円ほど)を維持している限り、フィリピンに永住できるというもの。代理人でも発行手続きを行えるようですが、場合によっては本人が現地に赴かなければならず、ビザ発行まで出国することができない上、取得するまでに2か月近くかかることも。また毎年更新書類の提出が必要で、約500ドルほどの更新料も支払わなければならないようです。必要項目である投資額だけ見ると、ドバイと比べ8分の1の安さは魅力的ですし、物価が安いため生活にかかるコストは抑えられますが、VISAの維持費や維持、更新にかける労力が必要となります。

では日本との時差1時間のマレーシアについて。“MM2H”というVISAが、こちらもタイランドエリートのように過去に申請基準などが改悪され移住者が激減し、つい昨年12月また改定し直すことが発表されたばかりです。中国人富裕層の呼び込みを狙って、ビザ申請者の基準を非常に高く引き上げていたようですが、結局は上手く機能しなかったようです。MM2Hを取得するには基準値以上の資産と給与収入を証明する書類が必要となり、その後もマレーシアの銀行に定期預金する(定期預金ということはすぐに引き出せない)必要がありますので、資産に余裕がある人向けの移住先となっていました。またVISA取得までに半年近く時間がかかることもあるようですが、詳しい内容や改訂項目については、2024年2月中旬もうすぐ明らかになるようです。そんなマレーシアは過去にMM2Hの改訂だけでなく、2019年法人税率を大幅に値上げする法改正も実行しており、その当時法人登記していた企業から多くの訴訟が起こったことも。政府自体に不信感を抱いてしまうような国で、不動産購入や投資、あるいは移住するというのは、少しリスキーではないかと私は懸念します。

さて本題であるUAEのビザ事情について。UAEで取得できる居住ビザは、その用途によって豊富なラインナップが揃っています。

  • Golden Visa(投資家/不動産ビザ):10年更新
  • Property Owner Visa(不動産ビザ):2年更新
  • Retirement Visa(リタイアメントビザ):5年更新
  • Working Visa(就労ビザ):2年更新
  • Remote Work Visa(リモートワークビザ):1年更新
  • Freelance Visa(フリーランスビザ):1年・2年更新

最近特に注目されているゴールデンビザは、有効な10年間のうち特に滞在期間の縛りはなく、また初回にゴールデンビザを申請した基準を満たす限り、10年経ったあとも更新し続けることができるのです。投資額は日本円にして約8000万円以上と高額にはなりますが、そのあとの維持が楽で、更新維持費がかからないことは嬉しいですね。また今回例に挙げた他国と比べて1番に言えることが、なにより治安面で、ドバイ(UAE)ほど治安が良い国はないということです。もし本当に移住するのであれば、金額だけではなく、本質的に信用できる政府かどうか、そして安全に暮らせるかどうかを見極めることが大事だと思います。

次回はギリシャのゴールデンビザなど、さらに他国とも比較していきます。

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Nana Ikeda / UAE担当エージェント