アラブ首長国連邦を代表するドバイとアブダビ。
政治の中心はアブダビ、経済の中心はドバイと言われていますが
その関係性はどのようなものだろうか。
面積においては地図を見れば一目瞭然ですが、UAEの面積は83,600平方kmあり、
その中でもアブダビの合計面積が67,340平方kmに及び、UAEの総面積の約80%を占めています。
一方ドバイは5%にも満たない大きさです。
都市の雰囲気としては、何でも世界一を目指すドバイは
高層ビルや大型ショッピングモール、人工島パームジュメイラと大規模な建築が目立ちます。
一方、アブダビは近代的な建築も進んでいるが、大規模なモスクも存在している。
また、アル・アイン地域にはオアシスや砂漠があり、自然豊かな一面もあります。
UAEの首都がアブダビなこともあり、政治的な中心はアブダビとなっています。
1970年代以降に、産油国として成長したアブダビにはゆとりがあるように感じます。
ドバイは2000年代前半まで目覚ましい成長を遂げておりアブダビにも対抗意識があったよう。
しかし、ドバイショックによりその関係性は大きく変化します。
2008年にリーマンショックに陥ったドバイに手を差し伸べたのはアブダビでした。
世界一高いビルである『ブルジュ・ハリファ』は当初は『ブルジュ・ドバイ』という名前でした。
ブルジュとは、アラビア語で「タワー」という意味、つまり『ドバイタワー』。
ドバイショックの際に支援をしたのがアブダビで、その王様の名前がハリファでした。
『ブルジュ・ハリファ』はアブダビに助けてもらった象徴となりました。
不動産開発や観光開発でドバイショックを起こしたが、ドバイは貿易や物流がメイン。
現在では、石油、政治、外交はアブダビ、経済はドバイとしてUAEの両輪となっています。
それぞれ異なった分野で地位を確立し、共存・成長していくのか今後も期待したい。