アラブ首長国連邦政府(UAE)は、2023年1月より失業保険制度を開始することを発表しました。
(2022年5月9日)
対象者は、UAE国内で就業する国民と外国人居住者全員で加入は必須となります。
就業時に支払われていた60%に相当する月額約70万円が、一定期間支払われます。
自国民化省のアブドゥル・ラフマン・アル・アワール大臣は、
世界で最も優れ、最もダイナミックな経済を構築することを目的とし、失業保険制度の導入が
自国民の雇用を推進するうえでセーフティーネットとなり、
人的資源への投資が必要だと述べています。
UAE政府は同日に自国民の雇用比率アップの引き上げについても方針を発表していて、
民間部門の自国民の雇用比率を毎年度2%ずつ引き上げるとしています。
これまでにも「Nafis」と呼ばれる自国民の就労機会提供・人材育成プログラムを設定していたが
今回は、その改定版という事になります。
ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム副大統領兼首相(兼ドバイ首長)は
従業員数が50人以上の民間企業において、現在の2%から毎年2%引き上げ、2026年までに10%にすると
ツイッターで発表しました。これにより、1万2千人の自国民の雇用が生まれる見通しです。
ハリッジ・タイムズ(Khaleej Times)※1によると、UAE政府は今回の雇用比率の向上目標に合わせて
各種の特典も付与することと発表しました。
1. 人的資源・自国民化省(Ministry of Human Resources & Emiratization:MOHRE)における
サービス手数料金を80%割引。
2. 「Nafis」の給与サポートプログラムにより、プログラマー、看護師、会計士などに就業する
自国民に対して、研修期間中は1年間月8,000AED(約28万円、1AED=約35円)、
大卒人材については5年間月5,000AED(約17万5,000円)を上限に給与の補助を行う。
3. 自国民の年金制度にかかる経費に対して、5年分の助成金を提供。
4. 育児補助として、月800~3,200AED(約2万8,000円~約11万2,000円)を上限に補助を行う。
※1:ドバイで発行される日刊英語新聞
また、今までなかった罰則のルールが設けられ、雇用比率を下回る企業については
欠損人材1人につき月6,000AED(約21万円)を支払うこととなる。
失業保険制度の導入についても雇用比率の目標に関しても、不明瞭な点が多く
対象となるエリアや具体的な加入方法等、詳細の発表が待たれます。
この記事はジェトロのビジネス短信を参照して作成しています。
参照URL:https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/05/941fa24ab971d794.html
https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/05/96ed5ca5e9a4a679.html