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1万円からはじめる実践ETF投資入門 ~バイオテクノロジーETFとモデルナ株~

1万円からはじめる実践ETF投資入門 ~バイオテクノロジーETFとモデルナ株~

投資の神様ウォーレン・バフェットが、米国株価指数に連動するETF購入を推奨したこともあり、最近ETF投資が注目を集めています。

2020年、私はバイオテクノロジーETFと個別銘柄モデルナ株に投資しました。

このときの経験をもとに、ETFのメリットと注意点を解説します。

目次

バイオテクノロジーETFに投資開始

ETFとは?

ETFとは、証券取引所に上場し、株価指数(インデックス)への連動を目指す投資信託で、Exchange Traded Fundsの頭文字をとりETFと呼ばれます。

投資信託とは、「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品」のことです。

これだけでは分かりにくいので、以下体験をお話ししながら解説します。

コロナ銘柄に投資チャンス到来

2020年3月テレビ、新聞などマスコミは、コロナの免疫ワクチンや治療薬について盛んに報道をはじめました。

これは投資チャンスです。

通常マスコミが騒いだ時、すでに投資のタイミングは出遅れています。

しかしコロナ禍は全世界に広がり、ワクチン開発は不透明な要素ばかりでした。

まだ間に合います。

有望な投資先企業を探そうとしました。

ワクチン開発は、アメリカ、中国、ロシア、ヨーロッパが先行しています。

なかでも世界をリードするのは、アメリカの製薬会社のようです。

個別企業情報の入手に苦労している時、見つけたのが「iシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)」です。(参照*3)

「iシェアーズ」とは、ブラックロックという世界最大級の資産運用会社が運用するETFのブランド名です。

「NASDAQ」とはアメリカにあるベンチャー向け株式市場で、今やアップル、アマゾン、グーグルなど世界のそうそうたる企業が上場しています。

「IBB」とは銘柄コードで、ティッカーと呼ばれます。

iシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)から見る米国ETFの特徴

私はさっそくiシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)を買い始めました。

iシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)を説明しながら、ETFのメリットを解説します。

(メリット1)分散投資

 iシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)は、NASDAQ上場のバイオテクノロ  ジー企業284社に投資するものです。

 資産形成は「長期・分散・積立」投資が基本と言われます。

 iシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)は、1株買うだけで284社に分散投資す ることになります。

(メリット2)シンプルな価格変動

 iシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)は「NASDAQバイオテクノロジー・イ ンデックス」に連動するETFです。

 投資信託のなかには、説明が難解で何に投資するのか理解困難な商品があります。

 iシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)は、公正に算出されたインデックスに 連動しますので価格変動はシンプルで透明です。

(メリット3)個々の企業研究は不要

 iシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)の構成銘柄で、保有比率の高い上位10 社は下表のとおりです。

 アムジェン、ギリアドサイエンシス、モデルナ、アストラゼネカなど話題企業が並びます。

 一方で見たことも聞いたこともない企業も数多くあります。

 バイオテクノロジーというジャンルへの投資ですので、必ずしも個々の企業研究は必要ありません。

(出所)iシェアーズ NASDAQ バイオテクノロジー ETF (blackrock.com)

(メリット4)少額から投資可能

 iシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)は1株100ドル(当時)、1万円相当か ら投資できます。

 多くの米国ETFは少額から投資可能です。

 何回にも分けて売買できますし、高値掴みなど失敗しても大きな傷は負いません。

(メリット5)リアルタイムの売買

 ETFは上場されています。

 市場の値動きを見てリアルタイムに購入できます。

 投資信託は1日1回だけ価額が決まります。

 売買時点で約定価額がわからず、モヤモヤ感が残るものです。

出来心で手を出したジェットコースター銘柄「モデルナ」

(画像)pixabayフリー画像

失望と退屈のiシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB) 

こうしてiシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)への投資をはじめましたが、値動きは緩慢です。

【図1】は2020年1月から1年間のiシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)の日足チャートです。

2020年5月から11月までボックス圏にあったことが分かります。

(注意点1)長期保有

 ETFは多くの銘柄に分散投資しますので、価格の急騰急落は少なく滑らかな動きをします。

 短期の利を求めず、じっくり腰を据えた長期保有が基本です。

【図1】iシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)日足チャート 2020.1~2021.1

(出所)楽天証券 | ネット証券(株・FX・投資信託・確定拠出年金・NISA) (rakuten-sec.co.jp)

(注意点2)投資方針はブレないこと

 株価が低迷する時、配当があると楽しみで継続保有の心の支えになります。

 ところがiシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)の配当金(分配金)はほぼゼ ロです。

 ETFには高配当が期待できる銘柄もあります。

 値上がり(キャピタルゲイン)狙いか、配当(インカムゲイン)狙いか決めて、途中でブ レないことが大切です。

しかし私はiシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)に失望し退屈し、我慢できなくなりました。

一方でモデルナ株は急騰しているではありませんか。

モデルナ株に手を出して大損

つい出来心からモデルナ株を買ってしまいました。

モデルナ社は2010年に設立されたアメリカのバイオテクノロジー企業です。

感染症、腫瘍などの治療のため、メッセンジャーRNAに基づいた治療薬とワクチンを開発しています。(参照*4)

コロナワクチン開発競争の初期段階で、モデルナは世界をリードしていました。

ところがモデルナ株は、1日に平気で10%以上も上下するのです。

注目度が高い銘柄で、米関係当局やアナリストの発言に株価は激しく反応しました。

まるでジェットコースターに乗っているようです。

【図2】は2020年3月から9月までのモデルナの日足チャートです。

米国証券市場は、日本時間22:30~5:00(夏時間)に開きます。

深夜パソコンで株価を追いかけていると、下落局面では資産がみるみる溶けていきます。

私は恐怖に耐えきれず、ついに損切りしてしまいました。

【図2】モデルナ日足チャート 2020.3~2020.9

(出所)楽天証券 | ネット証券(株・FX・投資信託・確定拠出年金・NISA) (rakuten-sec.co.jp)

バイオテクノロジー株は値動きの激しい銘柄が多くあります。

個別銘柄に手を出したことが間違いでした。

ETFの分散投資のメリットを活かし、長期に保有すべきでした。

出口戦略に迷うiシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)

(画像)pixabayフリー画像

利益確定売りか長期保有か

ところでiシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)は、その後も押し目を拾い少しづつ買い増していました。

価格はゆるやかですが着実に上昇しています。

利益の乗っている今売却するか、それとも長期保有に切り換えるか悩むところです。

長期保有の場合、いくつかの注意点があります。

(注意点3)信託報酬率

ETFは保有中に信託報酬と呼ばれる運用管理費用がかかります。(参照*5)

iシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)の信託報酬率(経費率)は0.46%で決して低くありません。

0.1%以下のETFはめずらしくありません。

信託報酬率は一見小さな数値に見えます。

しかし数十年の単位で長期保有すると大きな影響があります。

(注意点4)為替リスク

iシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF(IBB)は、ドル建てですので為替リスクをともないます。

米国ETFのパフォーマンスと為替変動リスクの比較になります。

NISA利用は投資信託で

長期の資産形成は積立NISAの活用が適しています。

(注意点5)米国ETFはNISAを使えない

しかしアメリカ市場で上場されたETFは、NISAが利用できません。

一方で日本の証券会社や銀行が販売する円建ての投資信託で、米国株価指数S&P500などに連動する商品があります。

これら商品で金融庁の認定を受けた投資信託は、積立NISAを利用できます。

S&P500とはアメリカを代表する株価指数で、米国株式市場に上場された主要500銘柄から算出されます。

(注意点6)買付手数料

金融庁認定の積立NISA投資信託は、買付手数料ゼロ(ノーロード)です。

米国ETFは、最近一部が買付手数料ゼロになりましたが、多くのETFは手数料が必要です。

国内投資信託は、投資の手間がかからず、NISAを利用できます。

ETFはNISAは使えませんが、長期に資産形成しながら、投資の醍醐味である売買も楽しめます。

どちらを選ぶかは、その人の投資スタイルしだいです。

おわりに

(画像)pixabayフリー画像

世界ではじめてのETFは、1990年カナダのトロント証券取引所に上場された「Toronto 35 Index Participation Unit 35」です。

ETFは金融商品の「20世紀最大の発明の1つ」と言われます。(参照*7)

分散投資、シンプル性、企業研究不要、少額投資、リアルタイム売買などのメリットは、それまでにないものでした。

ETFは長期投資に向きますが、信託報酬率や為替リスクに注意を払う必要があります。

またETFはNISAが利用できず、買付手数料が発生することも知っておかなければなりません。

多くのETFは個別銘柄に比べて値動きが滑らかです。

1万円からはじめられますので、投資初心者に向いた商品といえるのです。