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「人生100年時代」を生き抜くために必要なこと

「人生100年時代」を生き抜くために必要なこと

人生100年時代」という言葉、最近よく耳にしますよね。「人生100年時代」とは、イギリスのロンドンビジネススクール教授リンダ・グラットン氏が著書『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』で提言した言葉です。

この新時代の最大のテーマは、自分の人生をどう生きたいか、ということ。

では、どのように人生設計をし、働いていくのがいいのでしょうか。何か準備しておくものはあるのでしょうか。
今回は、この「人生100年時代」を生き抜くために必要なことを、『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』を通して考えていきましょう!

目次

人生100年生きる時代へ

グラットン氏は『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』の中で、

・2007年生まれの子供の半数が、日本では107歳まで生きうるということ
・平均寿命世界1位の国の寿命が2年ごとに平均2~3年のペースで上昇している、つまり今50歳未満の日本人は100年以上生きる時代を過ごす可能性が高いこと

を紹介しています。

マルチステージ化する人生

20歳前後まで教育を受け、65歳までバリバリ働き、その後は引退して余生を楽しむ―。
多くの日本人がこのような人生を想定してきたと思います。

しかし、長くない会社の寿命・あてにならない年金の今、65歳までの働きでその後35年もの長い人生を賄うほど貯蓄をするのはなかなか難しいはずですし、趣味三昧の生活だけでは長すぎます。

だから「選択肢を持っておくこと」が必要になってきます。

『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』では、年齢層によってステージが変わるのではなく、その時々の状況によってステージを行き来するような、「マルチステージ」の人生になるとしています。

人生100年時代の人生ステージは

  1. Explorer:自分の生き方に関して考える時期、知識やスキルの再取得(職業訓練・学び直しなど)
  2. Independent Producer:組織に雇われず、独立した立場で生産的な活動に携わる人(フリーランスなど)
  3. Portfolio Worker:異なる活動を同時並行で行う(週3仕事・週1ボランティア・週1NPO活動など)

一生涯の中で、結婚・出産・育児・住宅購入・車購入・旅行・病気など様々なライフイベントがあるはずです。
だからこそこの3つのステージを状況や必要に応じて自由に行ったり来たりすることで、「健康に」「より長く」「生き生きと」「華やかに」「自分らしく」働き・生きることができる可能性が高まります。

経済産業省「人生100年時代」を踏まえた「社会人基礎力」の見直しについて

重要な3つのポイント

グラットン氏は、この「人生100年時代」において、次の3つの重要性が増していくとしています。

  1. 教育:専門技能を高め、世界中の競合との差別化を実現するもの。自分から必要なものを学び続けることが求められる。
  2. 多様な働き方:70歳を超えても働き続けることを想定し、一人ひとりが独立した立場で仕事について考える必要がある。
  3. 無形資産:お金だけでなく、経験・体験や人的なネットワークが重要な資産となる。

「無形資産」を磨く

マルチステージを生きるために重視されるのが、先ほど出てきた「無形資産」です。無形資産には3つの要素があります。

  1. Productivity(生産性):主に仕事に役立つ知識やスキルのこと
  2. Vitality(活力):健康や、良好な家族・友人関係のこと
  3. Transformation(変身する力):変化に応じて自分を変えていく力のこと

もちろん、現金など「有形資産」が重要なことは言うまでもありませんが、「お金を稼いで、何が欲しいか」ということの方が大事です。みなさんお金そのものを目的としている訳ではないと思います。

さらにこの「無形資産」は、有形資産(お金)を形成する後押しをしてくれます。知識やスキル・人脈など何もない状態でお金を生み出すのは難しいですよね。こういった点でも重要な無形資産を増やし・強化していくことが必要になっていくでしょう。

まとめ

「人生100年時代」。今まで以上に長くなる企業・社会との関わり、そして人生において、最も変わることが求められるのは個人です。
これからは、自分のキャリアを自分自身で選択・構築する「オーナーシップ」が必要です。

自分の「生きたい」をデザインし・学びから知識やスキルなどを蓄え・多様な活動からお金を稼ぎながら自分らしく働く。自分を株式会社と見立てその会社を経営するように、都度変化に応じながら計画・決断・実行・修正していく。

この新時代を生き生きと生き抜くために、キャリアデザイン・人生設計し直す必要がありそうですね。