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不動産コラム

アゼルバイジャンの高金利銀行アゼルバイジャン国際銀行の今

アゼルバイジャンの高金利銀行アゼルバイジャン国際銀行の今

アゼルバイジャン投資について

アゼルバイジャン

現在日本の銀行における平均年利は0.001%前後と低金利ですが、世界に目を向けると日本国内とは比較にならないような好条件でサービスを提供する銀行は複数存在しています。

前回のPhnom Penh Commercial Bank(プノンペン商業銀行)はその典型的な好条件のサービスを提供している銀行でした。

しかし、過去に高金利で良い投資対象であった銀行や国も時間の経過と共に状況が変わります。
今回は、過去に第二のドバイとも称され好条件のサービスを提供していたけれども、現在は低金利になってしまったアゼルバイジャンのアゼルバイジャン国際銀行(The International Bank of Azelbajian / IBA)の変遷をご紹介致します。

アゼルバイジャンについて

アゼルバイジャン


人口 1000万人
首都 バクー
公用語 アゼルバイジャン語
宗教 イスラム教 シーア派

ロシア、ジョージア、アルメニア、イランと国境を接し、また世界最大の湖として知られるカスピ海に面した国です。2000年代、アゼルバイジャン経済はカスピ海沖の石油ガス開発で急成長を遂げ、首都バクーはバブル景気に沸き、「第二のドバイ」などともてはやされました

アゼルバイジャンと石油の関係

アゼルバイジャン


アゼルバイジャンの首都バクー近郊に世界初の油田だったと言われるバクー油田が作られます。20世期初等には世界の石油生産の半分がバクー油田によるものだったと言われています。

しかし、1960年代にはバクー油田は減産に転じてしまいます。

アゼルバイジャンの石油産業は斜陽化したかと思われましたが、ソ連崩壊後の1990年代、外資を投入してのカスピ海沖の油田「アゼリ・チラグ・グナシリ(ACG)油田」開発に乗り出しました。また、その石油はバクー~トビリシ~ジェイハン(BTC)パイプラインを通じてトルコ経由・地中海方面に輸送されるようになりました。

もともと経済や人口の規模が大きくないアゼルバイジャンにとって、カスピ海油田の開発による経済効果は絶大でした。ACG油田で生産が始まった2005年は国内総生産(GDP)の成長率が28.0%に達し、2006年にはさらに伸びて34.5%、2007年も25.5%を記録しました。

潤沢なオイルマネーは、運輸等のインフラ整備や、都市部の不動産開発などに投下されました。首都バクーには奇抜な巨大建造物が多数出現し、「第二のドバイ」などと呼び称されるようになります。

しかし、アゼルバイジャンの石油生産は、ACG油田稼働からわずか数年でピークに達し、それ以降は減産フェーズに入っています。

2015年以降は米国のシュールオイルが技術革新により生産コストの低下に成功し、一貫して増産したことから油価が急落し(2014年の中頃までは1バレル=100ドル前後で推移していたが、2014年7月頃から原油価格は急速に下落を始め、2016年2月には1バレル=約26ドルまで下落しました。)そのダメージも加わって、アゼルバイジャンでは低成長が続いています。

アゼルバイジャン国際銀行の定期預金を検討している方は要確認


アゼルバイジャン国際銀行は、アゼルバイジャン共和国最大の政府系金融機関でした。政府が、約半数の株式を保有する国際銀行です。

アゼルバイジャンは定期では2010年代には年利9.8%(10年5万US$) という驚愕のレートを誇っており、口座開設をした日本人も多い注目の銀行でした。当時は前回ご紹介したPhnom Penh Commercial Bank(プノンペン商業銀行)の5%代をはるかに超える高金利であったと言えるでしょう。

最近は日本でもネットバンキングを中心に年利0.2%前後の金利の高い定期預金を提供する銀行も増えていますが、

100万円を年利0.2%で10年定期で運用した場合=受取利息額 15,946円
100万円を年利9.8%で10年定期で運用した場合=受取利息額 781,341円

その差、約76.5万。ということになります。

しかし、前述の2016年の原油価格の急落によりアゼルバイジャンは大ダメージを受け、2度の切り下げで通貨マナトの価値は対ドルで半減しました。(2015年1月には対マナト円相場が150円だったのが、2020年1月には64円)。

2016年には経済成長率は-3.1%にもなりました。アゼルバイジャン国際銀行は貸し出しの焦げ付きなどから経営難に陥いり、そして劣後ローンの返済で2017年に債務不履行(デフォルト)となり、債務再編手続きを進め、33億ドル(約3700億円)規模の債務再編で債権団と合意しました。結果、債権団は20%の元本減額の要請を受け入れることになりました。

そして現在、USD建ての金利は落ち込み0.1%程になりました。
現地通過のアゼルバイジャン・マナト建てでは未だに三年定期預金で金利が最大9%程つきますが、マナトは前述の通り為替変動リスクが高いようです。

アゼルバイジャンの経済と今後の展望


そんな経済の乱高下が激しいアゼルバイジャンですが、2018年には経済成長率1.4%までもち直しました。

石油は引き続き減産しておりますが、カスピ海沖の石油は計画的に産出して微減であり、アゼルバイジャンのヨーロッパとアジアを繋ぐ立地からパイプラインなど輸送業にも力を入れて持ち直してきています。

石油産油国にしては珍しく消費税も高く(18%)、基礎的財政収支も2016年のマイナスからプラスに転じています。

今後計画的な石油及び天然ガスの採掘とその他産業の育成により再度良い投資先となるポテンシャルは秘めているのではないでしょうか。

アゼルバイジャンではIT化にも力を入れ第二のエストニアとも言われており、モバイル普及率に至っては112%と100%を超えるまでに増加しました。電子政府化も進んでいます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

一時期は投資が集中し、不動産バブルも起こり成長を誰もが成長を疑わなかったアゼルバイジャンですが、石油急落で政府系最大の銀行ですらデフォルトを起こしてしまい、当時の債権者達は損を被ることとなってしまいました。

こういった最新の情報はインターネットの検索だけでは得ることはできません。実際の投資家の目線や専門家の知識を吸収し、事故のない資産運用の糧としていただければ幸いです。

今回は以上となります。 最後までお読みいただきありがとうございました。