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不動産コラム

2026年のマンション選びで失敗しないために|「買い場」か「落ちるナイフ」かより大切な視点

2026年のマンション市場は、非常に判断が難しい局面に入っています。

本記事では、不動産市場やマンション選びに関する一般的な論点を整理します。橋本裕介の詳しい経歴や活動内容については、橋本裕介の公式プロフィールをご覧ください。

SNSでは「価格が下がった」「高値掴みになる」「今は買ってはいけない」といった声が増えています。一方で、実際の成約データを見ると、首都圏中古マンションの成約単価は依然として前年を上回る水準が続いており、全体としてはまだ価格上昇の流れが残っています。新築マンションについても、発売戸数は絞られる一方で、平均価格は高止まりしています。価格は強い一方で、契約率や販売スピードにはやや鈍さも見え始めている、というのが実態です。

結論から言います。

2026年のマンション選びで大切なのは、「今が買い場か」「まだ下がるのか」を当てにいくことではありません。本当に見るべきなのは、その物件を長く持てるか、住み続けられるか、そして将来売るときに次の買い手が見えるかです。

2026年は「何を買っても上がる相場」ではない

ここ数年のマンション市場では、都心部を中心に価格上昇が続きました。新築価格が上がり、それに引っ張られる形で中古価格も上がり、結果として「早く買った人が得をする」相場が続いてきました。

しかし、2026年は少し状況が変わっています。すべての物件が同じように上がる相場ではなくなりました。良い物件は今でも売れます。一方で、価格設定を間違えた物件、短期転売を前提に高値で出された物件、管理や出口に不安がある物件は、以前よりも動きにくくなっています。

つまり、市場全体を見るだけでは判断できません。同じエリアでも、売れる物件と売れない物件の差が広がっています。同じマンション内でも、間取り、階数、眺望、広さ、管理状態によって評価が分かれます。

2026年のマンション選びは、「マンション市場が上がるか下がるか」ではなく、「その物件が選ばれる理由を持っているか」を見る時代です。

売出価格に惑わされてはいけない

今の市場で最も注意すべきなのは、売出価格に振り回されることです。

「3,000万円値下げされた」「価格が大きく下がった」という情報だけを見ると、市場全体が崩れているように感じるかもしれません。しかし、売出価格は売主が自由に決められる数字です。本来1億円程度で成約する物件を、最初に1億3,000万円で出して、その後1億円に下げたとしても、それは市場が3,000万円下がったという意味ではありません。

本当に見るべきなのは、売出価格ではなく成約価格です。

不動産市場では、売主の希望価格と実際に買主が支払った価格が一致するとは限りません。特に相場が強かった時期には、かなり強気の売出価格が目立ちました。その反動で値下げが出ているだけの物件もあります。

2026年のマンション選びでは、「値下げされたから安い」と考えるのではなく、周辺の成約事例、賃料水準、管理費・修繕積立金、築年数を含めて判断する必要があります。

自宅なら「相場」よりも「人生のタイミング」を優先する

自宅としてマンションを買う場合、投資物件とは考え方が少し違います。もちろん価格は重要です。高値掴みは避けるべきです。無理な住宅ローンも組むべきではありません。

ただし、「もっと下がるまで待つ」という判断にもリスクがあります。子どもの進学、家族構成の変化、勤務先へのアクセス、親の介護、生活環境。これらは、相場が下がるまで待ってくれません。

マンション価格の底を正確に読むことは、プロでも困難です。過去を振り返っても、「あの時が買い場だった」とわかるのは、いつも後になってからです。

自宅購入で大切なのは、相場の底を当てることではありません。無理なく返済できる価格か。長く住める広さと間取りか。将来売却や賃貸に出す選択肢があるか。管理状態に問題がないか。万が一金利が上がっても耐えられるか。この条件を満たすなら、2026年でも購入を検討する価値はあります。逆に、条件を満たしていないなら、どれだけ人気エリアでも買うべきではありません。

価格だけでなく「家賃」を見る

2026年のマンション選びで、もう一つ重要なのが家賃です。購入価格だけを見ると高く感じる物件でも、賃料がしっかり取れるエリアであれば、価格の下支えが働きやすくなります。

特に都心部では、マンション価格だけでなく家賃も上がっています。家賃が上がっているということは、そのエリアに住みたい人、借りたい人がいるということです。

これは自宅購入でも重要です。「自分が住むから家賃は関係ない」と考える方もいますが、それは違います。将来、転勤や家族構成の変化で貸すことになるかもしれません。売却する際にも、投資家や住み替え層は賃料水準を見ます。つまり、賃料が取れる物件は、出口が見えやすい物件です。

2026年は、価格が少し下がったように見えても、賃料が強い物件があります。こうした物件は、表面的な値下がりだけで判断すると見落としてしまいます。見るべきなのは、「価格が下がったか」ではなく、「価格に対して賃料が見合っているか」です。

高級マンションは二極化が進む

高額マンション市場でも、すべてが弱くなっているわけではありません。本当の富裕層に選ばれる物件は、今でも動いています。広い部屋、眺望の良い部屋、希少性の高い部屋、他に代替がない部屋には、資金が向かっています。

一方で、3億円から4億円台の一般富裕層向け物件は、以前よりも慎重に見られています。住宅ローンの審査、手付金、金利、将来の出口を考えると、購入できる層が限られるからです。

ここで大切なのは、「高級マンションだから安全」と考えないことです。高い物件ほど、次に買える人の数は少なくなります。次の買い手が誰なのか。その人は何を評価するのか。広さなのか、立地なのか、眺望なのか、ブランドなのか。ここまで考えずに高額物件を買うと、出口で苦労する可能性があります。

2026年の高級マンション選びでは、「自分が欲しい」だけでなく、「次の買い手も欲しがるか」まで考える必要があります。

タワーマンションは危険なのか

タワーマンションについては、将来建て替えが難しい、修繕費が上がる、負動産になるのではないか、という議論があります。この指摘には、確かに一部正しい面があります。

タワーマンションは住戸数が多いため、将来の合意形成が簡単ではありません。大規模修繕にも多額の費用がかかります。管理組合が機能していない場合、将来のリスクは大きくなります。

ただし、「タワーマンションはすべて危険」と考えるのは雑な判断です。タワーマンションは、駅近や再開発エリアなど、立地の良い場所に建っていることも多いです。立地が強く、管理状態が良く、修繕積立金が適切に積まれている物件であれば、長期的に価値が残る可能性は十分あります。

問題は、タワーマンションかどうかではありません。管理が機能しているか。修繕積立金が足りているか。長期修繕計画が現実的か。住民の合意形成ができる管理組合か。将来の維持コストを買主が納得できるか。ここを見るべきです。

2026年以降のマンション選びでは、立地や価格だけでなく、管理の質がより重要になります。

修繕積立金は「安い方が良い」ではない

マンション購入時に、管理費や修繕積立金が安い物件を好む方は多いです。しかし、修繕積立金が安すぎる物件は、将来の値上げや一時金リスクを抱えている可能性があります。

建築費、人件費、資材価格は上がっています。これまでの修繕計画では足りなくなるマンションも増えていくはずです。購入時に毎月の負担が軽く見えても、数年後に修繕積立金が大きく上がれば、毎月の支払いは変わります。投資用であれば利回りが下がり、自宅であれば家計への負担が増えます。

確認すべきなのは、今の金額だけではありません。長期修繕計画はあるか。積立金残高は十分か。過去の大規模修繕は適切に行われているか。今後、段階的な値上げ予定はあるか。管理組合の議事録に大きな問題はないか。これらを確認せずに買うのは危険です。

2026年のマンション選びでは、「価格が安い」よりも「将来の支出が読める」ことの方が重要です。

2026年に選ぶべきマンションの条件

2026年にマンションを選ぶなら、次の条件を満たしているかを確認してください。

まず、立地に理由があることです。駅距離、都心アクセス、再開発、職住近接、生活利便性など、その場所に住みたい人が今後もいるかを見ます。

次に、賃料が取れることです。自宅であっても、貸した場合の家賃を確認してください。家賃が弱い物件は、将来の価格も弱くなりやすいです。

そして、管理状態が良いことです。築年数が古くても管理が良ければ評価されます。逆に、新しくても管理が悪ければ将来のリスクになります。

さらに、出口が見えることです。将来売るときに、誰が買うのかを想像できる物件を選ぶべきです。ファミリーが買うのか、単身者が買うのか、投資家が買うのか、富裕層が買うのか。買主像が見えない物件は、出口で苦労します。

最後に、無理なく持てることです。金利が上がっても、管理費・修繕積立金が上がっても、生活や資金計画が崩れないか。ここを甘く見ると、相場以前に自分の家計が耐えられなくなります。

まとめ|2026年のマンション選びは「選別力」の勝負

2026年のマンション市場は、単純に「買い場」とも「暴落前」とも言い切れません。全体の成約価格はまだ強い。一方で、売れない物件は売れにくくなっている。新築は高止まりしている。中古もエリアや物件によって差が出ている。高級物件も二極化している。管理費・修繕積立金の重要性も高まっている。

つまり、今の市場で必要なのは、勢いで買うことではありません。数字で見ることです。売出価格ではなく成約価格を見る。購入価格だけでなく賃料を見る。立地だけでなく管理を見る。今の支払いだけでなく将来の修繕費を見る。自分が買いたい理由だけでなく、次の買い手が買う理由を見る。

これができる人にとって、2026年のマンション市場にはまだチャンスがあります。逆に、SNSの雰囲気や営業トークだけで判断する人にとっては、非常に危険な相場です。

マンション選びで失敗する人は、相場を読み間違えた人だけではありません。多くの場合、自分が買おうとしている物件の数字を見ていない人です。

2026年のマンション選びで大切なのは、「今買うべきか」ではなく、「この物件を買っても大丈夫だと言える根拠があるか」です。そこまで確認して初めて、購入判断をするべきです。

不動産の購入・保有・売却判断はTESキャピタルへ

マンション市場は、価格だけでは判断できません。購入を検討している方は、将来の出口や賃料水準まで含めて考える必要があります。すでに物件を保有している方は、今の相場だけでなく、管理費・修繕積立金・借入条件・売却時の手取り額まで確認することが重要です。

TESキャピタルでは、不動産の購入前相談、保有物件の収支確認、売却・出口戦略、管理会社やサブリース契約の見直しなど、状況に応じた選択肢の整理を行っています。「買うべきか、待つべきか」「売るべきか、持ち続けるべきか」「今の物件をこのまま保有してよいのか」。感覚ではなく、数字をもとに判断したい方は、一度ご相談ください。

監修者プロフィール

橋本裕介 株式会社TESキャピタル代表取締役CEOのプロフィール写真
橋本裕介|株式会社TESキャピタル代表取締役CEO

監修者:橋本裕介
株式会社TESキャピタル代表取締役CEO。宅地建物取引士。金融・経済の視点から、不動産市場分析、投資用不動産の売却・出口戦略、サブリース契約の見直し、国内外の不動産市場に関する情報発信を行っている。

※株式会社TESキャピタルは、金融商品の販売・勧誘、個別銘柄等に関する投資助言、保険商品の募集・勧誘、法律・税務の個別判断は行っておりません。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別事情に応じた判断については、必要に応じて各分野の専門家へご相談ください。