米連邦準備制度理事会(FRB)は、3月21日、22日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し0.25%の政策金利引き上げを行う事としました。
米国内の銀行が破綻し、今後の金利動向について注目されていますが年内に利下げに転じる可能性を示唆する意見も出始めています。
その内容となるFOMCの声明文ですが、
『銀行破綻によって家計や企業の信用状況が厳しくなり、それが経済活動、雇用、インフレの重石となる可能性が高い。』
銀行が貸し出しを規制することによって、貸し渋りが起き結果として利上げ以上の効果が発生するという理解が進んでいる状況です。
結果的にはマーケットから金融不安は解消されつつありますが、リセッションのリスクは依然として潜在しています。
大きく下がったのは銀行関連セクターで、合わせて不動産セクターも同時に下落基調となりました。
欧米ではファイナンシャルセクターは銀行と不動産が一緒になっています。
このセクターを売るということは、つまり銀行と不動産を売ることと同義です。
銀行がお金をださない→不動産業者が資金調達できなくなるため、米国不動産市況もここからは大きな調整局面に入る模様です。
銀行関連セクターから動いた資金はナスダック系に向けられたということで、ここまでは予想通りの展開となっています。
繰り返しになりますが、金融不安はなんとか避けられた印象はあるものの、まだまだ注意が必要です。
理由としましては、金融ストレス指数が上昇するとその1年後に金融危機が訪れているという事実があり、過去のITバブル崩壊やリーマンショックの一年前と同じような金融ストレス指数の動きが見られているからです。
https://fred.stlouisfed.org/series/STLFSI4
※金融ストレス指数は、「フィナンシャル・ストレス・インデックス」とも呼ばれ、米国のセントルイス連邦準備銀行が公表する欧米金融市場の緊張度を示します。