終身雇用制の衰退や景気の悪化は、人々の生活に大きな影響を及ぼしています。
これまでは会社からの収入があれば安定した生活が送れましたが、今やその安定神話は揺らいでいます。
そんな中、再注目されているのが投資です。投資といっても株や先物など、様々な投資対象がありますが、中でも安定的な収入を得るために不動産投資を行う人が増えています。
そこで今回は、不動産投資の魅力や、実際に不動産投資を行う際の注意点などを解説いたします。
目次
不動産投資とは?
不動産投資とは、その名の通り居住している不動産の他に、新たに不動産を購入して、その物件を賃貸に出すことによって、毎月の賃料を得る投資です。
不動産投資と株など他の投資の違い
不動産投資には、株を始めとした他の投資とは違う魅力があります。
それは、比較的低いリスクで長期的に安定した収入が得られることです。金融商材への投資は価格変動も激しくリスクも高いですが、不動産投資であれば借り手さえつけば、毎月決まった額が入ってくるため安定しています。
投資を始めるにあたって新しく不動産を購入しなければならならず、初期費用は非常に大きいですが、今では不動産投資用のローンなども各金融機関が用意されているため、不動産投資を始めるハードルも低くなっています。
不動産投資のメリット・デメリット
不動産投資には、メリットもデメリットもあります。それぞれいくつかご紹介します。
不動産投資のメリット
収益が安定している
不動産投資のメリットは、収益が安定して得られることにあります。特に賃貸として活用して、家賃収入を得られれば、毎月決まった金額が長期的に入ってきます。数ある投資物の中でも、特に安定しています。
自己資金がなくても始められる
不動産自体は高価ですが、住宅ローンを利用すれば、自己資金を必要とすることなく購入できます。借入には審査が伴いますが、安定的な収入があり他社借入がない状態であれば誰でも利用できます。
不動産投資のデメリット
短期的な利益が得られにくい
不動産投資は、年単位の長期的な投資となります。賃貸として収益を得るのではなく、不動産を売却すれば一度に大きな金額が入ってきますが、買ってすぐに売却価格が購入金額を上回る状態とはならないため、短期的に利益を得ることは困難です。
経済の影響を受けやすい
不動産の需要は、経済状況に大きく影響します。せっかく購入しても、景気が悪化すれば価値が大幅に下がってしまう可能性があります。そうならないためにも、価値が下がりにくい物件を選ぶなどの工夫が必要です。
不動産投資に潜む3つのリスク
不動産投資には、3つのリスクが潜んでいます。それぞれのリスクの解説と対処法をご紹介します。
空室のリスク
まず、投資用として購入した不動産に借り手がつかず、空室状態が続いてしまうリスクです。借り手がつかず家賃収入が入ってこない状況であっても、関係なく住宅ローンの支払いは発生します。
不動産投資において、空室状態が続くことは最も起こってはいけない致命的な問題です。
この空室リスクを少しでも減らすためにも、投資用の不動産はより慎重に選んで購入しなければいけません。物件の立地や設備、想定される用途をしっかりと調べて、借り手がすぐにつくような準備をしましょう。
賃料滞納のリスク
続いて、借り手が賃料を滞納するリスクです。
特に経済状況が悪化しつつある昨今、借り手の収入が不安定になる可能性が高まっており、家賃滞納のリスクは特に高まっています。
この賃料滞納リスクの対策の一つとして重要視されるのが敷金です。
入居時に支払う敷金は、一般的に退去時の部屋の修復や修繕に充てられるものですが、家賃の滞納が発生した場合には、それを補填するものとして扱われます。1,2ヶ月程度の一時的な家賃滞納に備えて、敷金をできるだけ多くとっておくと良いでしょう。
ローンの金利上昇リスク
不動産は数千万単位の非常に大きな買い物です。そのため、投資用の不動産を購入する方のほとんどは、住宅ローンを利用します。
住宅ローンには、金利が設定されています。その金利には、借入から完済まで金利が変わらない固定金利と、定期的に金利の増減が発生する変動金利の2種類があります。固定金利であれば、返済額が長期的に見えるため見通しが立てやすいですが、注意すべきは変動金利です。変動金利の住宅ローンには、金利の上昇リスクが常にあります。金利が上がれば、返済額も上がるため、注意が必要です。
この金利上昇リスクに備えるには、借入前の住宅ローン選びを慎重に行うことはもちろんのこと、借入後でも金利が上昇したらより金利条件が良いローンに借り換えることも可能です。
不動産投資で選ぶべき物件の条件とは?
不動産投資では、物件の借り手がつかない限りは収入が得られることはありません。
では、実際に不動産投資を始める際は、どのような物件を購入すれば良いのでしょうか。
ポイントをいくつかご紹介します。
用途が明確であること
まず、購入する物件の利用用途が明確になっていることが必要です。例えば、海に近い土地や山間の穏やかな地域に建つ物件は別荘としての利用、都心の駅近に建つ物件は住居や観光客が利用する民泊としての利用など、立地や物件の広さなどによってどんな借り手がつきそうかが予想できます。
このように、購入する不動産を選ぶ際は、どんな人でどのように使うのかなど、ターゲットをより明確に設定した上で判断すると良いでしょう。
ワンルームでも立地が良いこと
不動産を選ぶ際に迷うのが、狭くても立地が良い物件と、広いけど立地はそこまで良くはない物件ではどちらを選ぶべきかということです。
立地をとるか広さをとるかという問題ですが、答えは狭くても立地が良い物件です。駅の近くや周辺環境が充実している場所であれば、たとえ狭くても用途がはっきりとしているため、借り手がつきやすいのです。
不動産投資の失敗リスクを軽減する3つのポイント
不動産投資は初期費用が高いこともあり、始めるのであれば失敗するリスクはなるべく低くしてから動きたいものです。では、どのような点に注意して進めれば良いのでしょうか。失敗するリスクを軽減するポイントを3つご紹介します。
不動産業者の言うままに進めないこと
まず、不動産に関する知識がない方が陥りやすいことですが、不動産を購入するために利用する不動産業者の言うことを信じすぎないことです。大きな買い物だからこそ、専門家に頼りたいところですが、あくまで実際にお金を払うのは自分なので、最終的な決定権も責任も自分にあります。
あくまで不動産業者の目的は、顧客に対して物件を売ることです。
不動産業者の声はあくまで参考程度にして、最終的な判断は自らで行いましょう。
情報源を複数もって冷静に判断すること
前述の通り不動産業者に頼りすぎないことが重要ですが、自分で納得ができる判断をするためには、情報収集は欠かせません。正しく冷静な判断をするには、複数の情報源をもって情報収集をすることが必要です。
資金計画はできるだけ明確に算出すること
不動産投資は、初期費用の大きさに対して毎月の収入は一定であるため、元金を回収して純利益が発生するには年単位の長い時間を要します。そのため、購入する物件が決定した後、なるべく早くに資金計画をしっかりと立てておく必要があります。
毎月いくら返済して、毎月いくらの家賃収入があって、何年後にローンの返済が終わって利益が発生するのか、長い目で見通しを立てておきましょう。
まとめ
今回は、不動産投資の魅力や、実際に不動産投資を行う際の注意点などを解説しました。
内容をまとめると
- 不動産投資は安定的な収入が得られる
- 空室リスクを防ぐために物件選びが重要
- 長期的に資金計画を立てる必要がある
不動産投資は非常に長期的なものになりますが、その分、他の投資よりも安定しているため、安心して行えます。ぜひ始めてみてはいかがでしょうか?