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不動産コラム

個人投資家・ファイナンシャルプランナーが教える資産運用(初級者編 vol.9)

個人投資家・ファイナンシャルプランナーが教える資産運用(初級者編 vol.9)

個人投資家兼ファイナンシャルプランナーの堅塩です。第8回目の投稿となりました。

前回は「資産クラスの特徴〜2〜」ということで「債券」について深めにお伝えをしてきました。

今回は「株式」について触れて行きましょう。

目次

 4:株式

読者の皆様の中で「株式投資」を行っている方は多いと思います。特に最近ではコロナショック後の各国の金融緩和に後押しされ非常に株価が上昇しており、大きく資産を増やした方もいらっしゃると思います。

ただ、やってみたいけど、仕組みがわからない、リスク管理ってどうするの?と思われている方もいらっしゃると思うので、今回は株式投資の基礎の基礎から説明をしてみたいと思います。

株式投資の仕組み

株式投資の仕組みとはどの様になっているか?というと、

皆さんが応援したい企業や株式会社の株を購入することでその会社の「株主になる」ということなんです。

株主とはなにか?というとその会社の所有者の一部を指します。

その所有権の証明書として私達は「株券(株)」を受け取ることができます。

この株券は証券会社を通じて投資家同士で売買をすることができ、その株の人気が高まれば高値で売ることができ、人気がなくなれば低い金額でしか売ることができないという仕組みになっています。

 ※出典:みずほ証券「株式投資とは」より(https://www.mizuho-sc.com/beginner/story3/products/aboutstock.html)

株式投資で利益を出していこうと思ったら、これから人気がでそうな会社の株を人よりも少し早く購入し、その株の人気が高まった所で売却することを繰り返していくというイメージなんですね。

株式投資で得られる利益

以前の記事(Vol.4)でも記載しましたが、株式投資で得られる利益は3つあります。

キャピタルゲインである「売買益」

インカムゲインである「配当金」と「株主優待」です。

今回お話している「ポートフォリオ」を作成することを考えると大切になってくる利益は、

キャピタルゲインである「売買益」となってきます。

株式投資はこの売買益のリスクが良くも悪くも大きいものなので、

ポートフォリオに組み入れることで、その他の投資に比べてより早く資産形成の目標達成を行える様になります。

世界の株式市場の全体像

ポートフォリオを考える上でこの株式投資は外すことができません。

そのパフォーマンスを見てみると、前回の記事で紹介した債券に比べて変動幅は非常に大きいものとなっています。

[国内株式パフォーマンス]

[先進国株式パフォーマンス]

※出典:モーニングスターINDEXサイト「資産クラス別リターン」

https://www.morningstar.co.jp/world_index/index.html

そのため、ポートフォリオのパフォーマンスを考えた時に特に大きな影響を与えるため、より慎重になって、組入比率を考えて行く必要があるでしょう。

ちなみに、「株式投資」と聞くと日本株をイメージされる方も多いと思いますが、

私達がポートフォリオを考えるときにはアメリカやヨーロッパもしっかりと投資対象として考える必要があります。

というのも、世界の株式市場を見てみると、全体の時価総額は約86兆ドル(2020年7月時点)と言われ、

そのうちアメリカ市場が

 35兆ドル

で世界1位、ついで中国(9.4兆ドル)、

日本が

 5.6兆ドル

で第3位となっています。ただし、ヨーロッパは一つと考えると全体の20%程はヨーロッパに締められる為、

 アメリカ・ヨーロッパ・日本

の株式市場を見ていくことは資産運用を行っていく上で重要になると言われています。

私の個人的なおすすめとしては、米国を中心とした先進国株を10〜30%程度ポートフォリオに組み入れて行くと海外市場の成長もしっかりと反映させることができるのでおすすめです。

この3つの地域の市場状況を鑑みてどのようなポートフォリオを組み立てて行くのかを考えて行きましょう。

「株式」リスクと組入の考え方戦略

では、株式投資の抱える「リスク」と「組み入れの戦略」はどう考えると良いのでしょうか。

株式投資は5つの資産運用の中でもリスク・リターンが大きいものになるため、しっかりとその動きを把握しておく必要があります。

ざっくりと動き方の特徴を記載すると以下の様にまとめられます。

[株価の動き]

 世界に資金が溢れている  → 株価が上がる

 金利が低下する      → 株価が上がる

 環境が不景気になる    → 株価が下がる

 リスクオフ        → 株価が下がる

 インフレになる      → 株価的には長期的に見てマイナス

この基本構造を知った上で現在の株式市場を見てみると、

今は金融緩和により市場に資金が溢れている状態になっています。

また、各国の政府は金利を下げることにより景気を下支えすることを発表しています。

結果的にコロナが起こってから世界の株価は非常に大きな上昇を伴ってきたと言うことがわかります。

今後の世界の動きはまだわかりませんが、日々のニュースなどを見るとまだまだ各国の緩和姿勢は崩れなさそうなのではないかと考えています(筆者の独自見解です)

「株式」型投資信託を活用する

なお、これからポートフォリオを作って運用したい!と思う方は、

個別銘柄を購入するよりも世界の株式指数に連動するように運用されている投資信託(インデックス型投資信託)やETFを活用することをおすすめします。

それらの投資信託やETFは1つ購入するだけで何十〜何百という企業に投資をしている事と間接的に同様の効果を享受することができるので、使い勝手もよく便利です。

インデックス型投資信託やETFは、選ぶ商品が異なったとしても運用目標としている指数が同じであれば大きな違いはないため、

みなさんが選ぶときには、「どの指数に連動するものなのか?」を考えてあげると良いでしょう。

そんなの無視して株式市場全体に投資をしたいという場合は、MSCI社(Morgan Stanley Capital International社)が算出・公表している「MSCI指数」が主なインデックス指数となるので、検索してみると良いでしょう。

先進国株式のベンチマークとして最もポピュラーなものは「MSCIコクサイ」です。これは先進23カ国である「MSCI  World INDEX」から日本を覗いた株価指数になるため、

日本国以外の資産のバランスを取りたい時に便利なものとなります。

参考までにMSCI指数の構成国分類をあげておくので、参考にしてみて下さい。

※出典:MSCI Inc.東京支店「MSCI指数ハンドブック」

 (https://www.msci.com/documents/1296102/0/MSCI%E6%8C%87%E6%95%B0%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88+%28iShares+ETFs%29.pdf/58492f4a-6c8c-4c48-8287-501a1ce59cdc)

まとめ

ということで、今回はポートフォリオを作る上で非常に重要な株式について触れてきました。

とても幅が広く一度で理解することが難しい資産ではありますが、ポートフォリオを考える上で必須の項目となりますので、しっかりと抑えておいて頂きたいと思います。