本業をやりながら株式取引や不動産取引など、資産運用の一環として投資を行う方も多いでしょう。機会があれば、始めてみたいという方もいる中で、突然、知らない企業や人から投資の提案を受けるなど、投資をする上で、注意すべきは投資詐欺です。
今回は、投資を始めるにあたって投資詐欺を未然に防ぐために気を付けるべきポイントについてご紹介します。
目次
投資詐欺とは?
まず、投資詐欺とは何かについてご説明します。
投資詐欺とは、その名の通り投資をしたい人を対象に受ける詐欺で、「必ず儲かる」や「元本保証」などをうたって投資商材を紹介することが主な手法です。この投資詐欺、近年では、手口が非常に巧妙になっており、高齢者を中心に被害が広まっています。
実際にあった投資詐欺の事例
それでは、実際にあった投資詐欺の事例を見てみましょう。
①価値が低い株の購買勧誘
まず、投資詐欺の中でもオーソドックスな手口として、まだ株式市場に公開されていないという建前で、「必ず儲かる」と言って実在しない企業の株式を購入させるものがあります。
また、既に市場に公開されている株で、現在は価値が低いものを売りつける手法もあります。この場合、よく言われるのは「これから価値が必ず上がる」ということです。
この株式取引に関する詐欺は、購入して間もない頃は何回かに渡って、配当金と称したお金を受け取ることがあります。このように利益が得られると信用させてから、さらなる出資を促して、追加で徴収した後に音信不通となって姿を消してしまうのです。
②仮想通貨への投資勧誘
最近の流行によって、仮想通貨への投資勧誘をする詐欺のケースも増えてきています。
架空の仮想通貨の銘柄を出して、これから絶対に価値が上がるなどをうたって投資を促すものです。
仮想通貨について知識がある人は、まだ少ない状況でしょう。そう言った中で、分からないものに対して魅力的な提案があると、情報の正誤を判断することができずに、話に乗ってしまうという場合が多くあります。注意が必要です。
③有料の投資セミナーへの参加勧誘
投資詐欺には、実際に投資物となる何かを売りつけるなどして投資をさせる以外の方法もあります。それは、投資に興味がある人に対して、有料セミナーの勧誘や情報商材を販売することです。
このようなセミナーや情報商材のターゲットとなるのは、情報リテラシーや、投資に対する知識があまりない方がメインです。有料セミナーと称して、多額の料金を支払わせた上で、情報量の少ないセミナーを開催すると言ったケースも出てきています。
投資詐欺を疑うポイント
では、実際に投資に関する勧誘などを受けた際に、それが投資詐欺かどうかを判断するために、どのようなところに注意したら良いのでしょうか。いくつかご紹介します。まずは投資に関する勧誘を受けた際に、チェックすべきポイントを見ていきましょう。
勧誘している人が誰か
まず第一に、投資の勧誘をしている人が誰なのか、という点は大事なチェックポイントです。特に個人での勧誘でない場合は、会社名を特に注目して聞くようにしましょう。突然の勧誘の場合は、間をとってでもメモをとる準備をするなど、記録をすることが大切です。
勧誘の手段は、訪問以外にも電話・メールなど、顔が見えない場合も多いです。しかし、それぞれの手段に関係なく、受け取った情報を正確に記録するようにしましょう。また、中には、実在する企業や機関の名前をそのまま使っている場合もあります。そのため、最初の自己紹介だけでは判断せずに、まずは疑って接することを意識しましょう。
販売業者が官庁の認可を受けているか
続いて、勧誘をしている会社名や、チラシなどに記載されてある販売業者が、金融庁や消費者庁をはじめとする当該の官庁の認可を受けているかは、投資詐欺を疑う上で大事なポイントになります。まずは、疑いのある販売業者について、インターネットで調べてみると良いでしょう。調べてみることで、それが実在するものなのか、認可されているものなのかをチェックすることが大切です。また、場合によっては同企業の詐欺被害にあったという人の投稿なども見つけられるので、まずはインターネットで検索することをしましょう。
話に出てくる固有名詞は正しいものか
投資詐欺の疑いがある場合、勧誘の内容に出てくる固有名詞を特に注目していましょう。
相手の話かたや、提案の内容などをすぐに理解しそれが正しいかどうかが判断できなくても、話の中に出てきた商品名・会社名・成分名などの固有名詞だけに注目し、記録をしておくことをオススメします。それらの単語を、あとで調べることによってそれが正しい情報なのかを判断する鍵となるからです。
謳い文句に投資詐欺の頻出ワードはないか
続いて、勧誘の際に登場する言葉に以下のような表現がないか気をつけましょう。
- 元本保証
- 必ず儲かる
- 損はしない
投資において、元本保証が確実に行われたり、必ず儲かると言ったことは絶対にないと思って良いでしょう。特に「必ず」という表現が出たら確実にアウト!確実に投資詐欺であると見做しても良いです。
契約書の記載項目と説明内容に違いはないか
まずは、契約書に記載している情報と、契約に至る前の勧誘において説明された内容に違いがないかをしっかりと見比べましょう。
特に、会社名や住所、振り込み口座に違いがないかは特に注意が必要です。説明段階ですっかり信用させておいて、いざ契約をする際に契約書で内容を変えて説明と違う会社との契約となってしまうことも大いに考えられます。
渡された名刺やチラシなどと契約書をしっかりと見比べて、間違いがないかを確認することが大切です。
契約書が2部用意されているか
続いて、先方が用意した契約書が2部あるかどうかを確認しましょう。
契約書は、通常、契約先の会社がもつものと、契約者が保管するものの2つなければいけません。契約書が1部しかないと、契約が終わってから詐欺の疑いを持った時にいざ契約書を確認しようにも、手元にないため根拠をもっていない状態となってしまいます。
また、契約書に割印がされているかも要チェックです。割印は相手方が、契約したあとで契約書の内容を書き換えてしまう可能性を防ぐために重要なものとなります。
投資詐欺に遭わないためには
では、投資詐欺に遭わないためには、どうすれば良いのでしょうか。対策をいくつかご紹介します。
提案直後に判断をしない
まずは、提案されたその場で購入するかどうか、契約するかどうかの判断をしないことです。もし、肯定的な印象を持ったとしても、それを相手に伝えることは控えておきましょう。
提案を受けてそれがどんなに魅力的な印象を受けても、その場での判断は絶対に避けて、時間をおくことが大切です。時間をおいて、冷静になって考えてみたり、説明の内容についてインターネットで検索して調べたりすることを必ずするようにしましょう。
取引や利用がない会社からのアプローチを拒否する
そもそも、日頃、取引をしていたりサービスを利用している会社以外からのアプローチは、提案を聞くことなく拒否することも有効な方法の一つです。
馴染みのない会社から個人名宛に連絡があるということは、情報を知っている時点で不自然なことで、詐欺の可能性を疑うべき状況といえます。
まとめ
今回は、投資を始めるにあたって投資詐欺を未然に防ぐために気を付けるべきポイントについてご紹介しました。
まとめると
・投資詐欺は手口が様々で、昨今は巧妙になっている
・勧誘があったら疑ってかかることが重要
・すぐに判断をせずに時間をおいて冷静に対応しよう
これらのポイントを踏まえた上で、正しい情報を元に安全に投資をしましょう。