これまで当メディアでは長期積立投資に関するトピックとして、ドルコスト平均法や積立NISAについて取り上げてまいりました。
今回は話題を海外へと移して、最近水面下で注目を浴びているITA(インベスターズトラスト)について解説していきたいと思います。
今回の記事では、
『 ITAとは 』
『 ITAの代表商品・エボリューションについて 』
『 海外ファンドって怪しくないの? 』
について深堀りしながら解説していきます。
この記事を読めば、ITAの概要、魅力的な特徴、海外積立ファンドについてが明確になります。
それでは今回も最後までお付き合いください。
目次
はじめての【海外積立投資】ITA(インベスターズトラスト)について
ITA(インベスターズトラスト)とは?
まずは用語の解説からです。
ITA(インベスターズトラスト。以下ITAで統一)とは、ケイマン諸島に拠点を置く金融機関(保険会社)のことを指します。
正式名称はInvestors Trust Assurance SPCといいます。
SPCは通常は特別目的会社(Special Purpose Company)を指しますが、この場合はSegregated Portfolio Company(分離資産管理会社)を指すそうです(詳しくは後述します)。
ケイマン諸島はキューバの南に位置し、西インド諸島を構成しています。
国としてはイギリスの海外領土という扱いになります。
ケイマン諸島は観光地としてよりも、タックスヘイブン(租税回避地)として従来名が知られており、世界中の金融機関が本店あるいは支店を置いていることで有名でした。
ITAはケイマン諸島において2002年に設立され、2019年現在で世界40カ国で事業展開、預かり資産総額はおよそ1300億円にのぼります。
元々は保険会社としてスタートしたITAですが、現在は後述するエボリューションに代表されるオフショア積立投資商品を販売する業務がメインとなっています。
なお、オフショア投資とはタックスヘイブンでの投資のことを指します。
ITAの代表商品・エボリューションについて
では、次にITAの代表的な金融商品であるエボリューションについて解説していきたいと思います。
こちらは簡単にいうと海外積立投資(ファンド)です。
以下に商品特徴(メリット)を見ていきましょう。
月100USドルからスタートできる
こちらのエボリューションは月100ドル(約1万円)と手頃な金額からスタートできます。
またUSドルだけでなく、ユーロやポンド建で始めることもできます。
なお、投資期間は5年、10年、15年、20年、25年と5年刻みになっているのが特徴です。
手数料が比較的安め
エボリューションに関する手数料一覧を下記に記します。
・年間管理手数料:1.90%※優遇措置あり
・プラン手数料:月7ドル
・資産管理手数料:月0.125%(ファンド残高に対して)
・ファンド変更手数料:無料
・クレジットカード手数料:無料
これだけだと比較が難しいので、次に国内企業の投資信託(海外ポートフォリオ含む)の手数料を見てみましょう。
こうして比較してみるとエボリューションの1.90%というのはそこまで高くない、むしろ海外積立にしてはお得なほうではないでしょうか。
世界中の著名ファンドから選べる
エボリューション登場当時は選択可能なファンドの数が数十程度とかなり限られており、そのラインナップもかなり微妙なものでした。
しかし、近年は選択可能なファンド数が150程度に増加し、海外の著名なファンドもラインナップに加わるようになりました。
うまく選択できれば年10%程度のリターンも十分可能な水準となってきています。
お得なボーナスがつく
エボリューションにはロイヤリティボーナスという、長期で積立を行っている投資家向けの特典が用意されています。
まず、運用開始後10年が経過した時点で拠出額の7.5%、その後は5年ごとに拠出額の5%がボーナスとして付与されます。
また、この他日本語ができるスタッフが在籍しており、日本語版のホームページが用意されていることも海外積立初心者には安心材料になるのではないでしょうか。
海外ファンドって怪しくないの?
さて、ここまで読んでみると海外ファンドなのにITAは好条件が揃っており、
『 そんなうまい話があるのかな〜? 』
と疑問が浮かんでくるのも自然なことだと思います。
この章ではITAの信頼性について具体的なエビデンスを挙げながら説明したいと思います。
A-(Excellent)の格付けを得ている
ITAはアメリカの格付け会社であるA.M Best社のよる格付けで2018年11月にA-(Excellent)の評価を得ています。
これだけだとわかりにくいので私たちに身近な日本企業がA.M Best社のおいてどう格付けされているか見てみましょう。
第一生命:A+
損害保険ジャパン日本興亜:A+
20年に満たない新興の金融機関が、日本の老舗大企業に近い格付けをされている、となればITAは財務的には十分一流企業レベルと言えるでしょう。
なお、2019年もA-の評価を維持しました。
資産の分別管理を実施している
ITAは分離資産管理会社である、と先ほど述べました。
この点を深堀りしてみます。
資産が分離されているとは、会社(ITA)の資産と私たち投資家から預かった資産はそれぞれ別で管理されている、という意味です。
このため仮にITAが倒産するような事態になっても、投資家が預け入れたお金は時価(積立額ではない点に注意)で保全されます。
なお、ITAが顧客から預かった資産はバンク・オブ・アメリカという全米でもトップクラスの金融機関の信託口座で管理される体制となっています。
このような分離資産管理は、FX会社などでも顧客保護のため以前から取り入れられているスキームになります。
運用レポートを日々チェックできる
ITAではファンド出資者向けのサイトで日々の運用パフォーマンスを公開しています。
ファンドの解約やポートフォリオの変更もこのサイト上から行うことができます。
リアルタイムでレポートが見れることと、手続きもオンライン上で完結できることからユーザーファーストの姿勢が読み取れます。
厳しい監査体制
ITAの監査は世界4大会計事務所の一角であるKPMGが担当しています。
KPMGの監査ディレクター(役員に相当)のダーラ・キーオ氏がITAに対して好意的なコメントを発表していることからも、事業の信頼性の高さが窺い知れます。
参照→https://www.businesswire.com/news/home/20100706005521/ja/
その他の商品
今回はエボリューションメインで紹介しましたが、ITAにはもうひとつS&P500 Indexという商品もあります。
こちらは読んで字の如く、S&P500指数に連動した海外積立商品となります。
エボリューションとの比較としては、
・最低投資額が月200ドルから
・元本確保型である
・利回りアベレージは4%台と少々低め
などが挙げられます。
ここで注意したいのは、元本確保と元本保証では意味が異なる、ということです。
元本確保:契約満了日に限って元本を払い戻す、ということ。中途解約では元本は保証されない。
元本保証:いつどのタイミングで解約しても元本が払い戻される(中途でも満期でも)
こちら字は似ていますが両者の意味は全く異なるのでご注意ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
海外投資、と聞くと過去に話題になった詐欺案件や、ネット上の否定的な口コミなどに惑わされて、どうしても怪しい、といったイメージが先行しがちです。
ITAはまだ若い会社ですが、優秀な格付けも2年連続で取得しており、金融ベンチャーの雄と言える存在になりつつあります。
積立NISAと比べるとややハードルは上がるため、アグレッシブに長期積立を行っていきたい、といった方にはオススメできる投資と言っても良いかもしれません。
今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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