昨年いわゆる『 老後2000万問題 』が話題になってから、将来の資産形成に関心を持った方も多いかもしれません。
資産形成のためには様々な手法、商品がありますが、今回は特に長期的な資産形成に主眼を置き、その代表的な投資手法であるドルコスト平均法について解説していきたいと思います。
今回の記事では、
『 ドルコスト平均法とは? 』
『 ドルコスト平均法のメリット&デメリット 』
『 ドルコスト平均法と似た投資手法との違い 』
について深堀りしながら解説していきます。
それでは今回も最後までお付き合いください。
目次
長期的な資産形成を目指すなら理解したい【ドルコスト平均法】について
ドルコスト平均法とは?
ドルコスト平均法とは、価格が変動する金融商品を常に一定の金額で、かつ時間を分散して定期的に買い続ける手法のことを指します。
具体的な例を挙げると、A社の株を毎月1万円分だけ買い続ける、といった投資手法になります。
ある年の1月はA社の株価が1000円だったので10株購入、2月は株価が2000円に上昇したので5株購入、3月には逆に株価が500円に値下がりしたので、20株購入、といった具合です。
そして翌4月に再び株価は1000円に戻ったとします。
となると4月の購入分は10株です。
さて、ここで現在の投資状況をチェックしてみましょう。
4月の株価:1000円
4月時点での保有株数:45株
総投資額:40000円
保有時価総額:45000円(1000円×45株)
上記の例だと総投資額4万に対してプラス5000円のリターンを得ています。
途中、株価が倍になったり、逆に半額になったりしましたが、結果としてプラスに持っていくことができました。
この事例は非常に短いスパンでの投資になりましたが、ドルコスト平均法はこのように長期的に投資をした際の価格変動リスクをヘッジするための手法なのです。
ドルコスト平均法をうまく活用できれば、値動きに波がある金融商品に対しての投資するタイミングや投資期間に対して悩むことは減り、リスクとリターンを平準化することができます。
ドルコスト平均法は長期積立投資の代表的な手法であると言えます。
ドルコスト平均法のメリット
さて、ドルコスト平均法の意味がわかったところで、具体的なメリットについて理解していきましょう。
投資に手間がかからない
前述したようにドルコスト平均法は一定期間の間、定期的に一定額を投資していく、という手法です。
『 毎月15日に1万円分、この会社の株を買っておいて 』
といったように投資の指示などは証券会社などに丸投げできるため手間が省けます。
証券会社の窓口に出向いたり、モニター前からいちいち指示を出す必要がないのは忙しい投資家にとっては有難いことですよね。
相場の値動きに一喜一憂しないで済む
投資を実際にされたことがある方なら誰でも経験したことがあると思いますが、とにかく自分が買った(あるいは買おうとしている)商品の値動きって気になりますよね?
ドルコスト平均法を用いれば機械的に売買をこなすことになるので、相場に一喜一憂して神経をすり減らす心配もなくなります。
また心理的な影響から解放されるので、うっかり高値掴みすることもなくなります。
平均購入単価を抑えられる
ドルコスト平均法では商品価格が下がると購入口数が増え、逆に価格が上がると購入口数は減ります。
これが長く続くと商品1口あたりに購入単価はだんだん平準化されていきます。
最終的な利益は投資期間や止めるタイミングに左右されますが、高値掴みを避けられるため、購入単価を低く抑えられるのは大きなメリットです。
ドルコスト平均法のデメリット
さて、いいことばかりに思えるドルコスト平均法ですが、もちろんデメリットも存在します。
底値でたくさん買えない
毎月一定額しか買えない、というルールなので価格が下がった底値でたくさん買い付けることができません。
また価格が下落し続ける状態になった場合、損失につながるリスクもあります。
短期的な利益は出にくい
ドルコスト平均法は長期投資の手法であるため、デイトレードやスイングトレードのような短期的な利益を狙いには向いていません。
これは前述の購入単価が平準化されていく、というメリットの裏返しでもあります。
一定の手数料が発生する
投資をルーティーン化できるので手間がかからない、というメリットの裏返しで買い付けにあたり手数料は常に発生します。
特に相場が右肩下がりのような場面だと、毎回の手数料出費で元本割れしてしまうリスクも考えられます。
ドルコスト平均法は長期投資になるため、最初から手数料の安い運用会社を選ぶ、などの工夫をしたほうがよいでしょう。
ドルコスト平均法と似た投資手法と注意点
さて、ここまででドルコスト平均法の定義とメリット、デメリットは理解できたのではないでしょうか。
最後に同じような長期投資手法として比較される定量購入法についてとドルコスト平均法の注意点をご紹介したいと思います。
定量購入法
長期投資手法としてドルコスト平均法とよく一緒に話題に挙げられるのが、定量購入法と呼ばれるものです。
ドルコスト平均法が毎回一定額を購入する、という手法なのに対し、こちらは毎回一定量を購入する手法になります。
先ほどの例で言えば、ドルコスト平均法が毎月1万円ずつA社の株を購入する、という手法なのに対し、定量購入法では毎月10株ずつA社の株を購入する、ということになります。
定量購入法のデメリットとしてはドルコスト平均法と比較すると平均購入単価が20%近く高くなってしまうということです。
こちらに関してはネットに比較例が多く掲載されていますので、ここでは詳細は割愛させてもらいます。
ドルコスト平均法の注意点
ドルコスト平均法は金融庁のホームページでもおすすめの投資手法として紹介されており、最近話題のイデコやNISAもドルコスト平均法を投資手法として採用しています。
こうした背景やメリットだけに目を向けるといかにもドルコスト平均法こそ、資産形成のための王道に見えるかもしれません。
しかし、長期にわたって都度買い付けを行うドルコスト平均法は商品を扱う金融機関側からみれば、とても美味しい宣伝材料ともいえるかもしれません。
なぜならドルコスト平均法で毎回商品を購入してくれる顧客がいれば手数料収入で安定的に利益が上げられるからです。
現に『 ドルコスト平均法 』とGoogleで検索してみると、証券会社による礼讃コメントもよく目につきます苦笑
また、ドルコスト平均法では基本的に1つの同じ対象に長期的に投資を続けていくので、リスクが集中してしまう、というマイナス面もあります。
こうした事態を避けるにはバランス型のインデックス投信などにドルコスト平均法を応用していくのも1つのヘッジ方法です。
最後にドルコスト平均法についてメチャメチャ深掘りして考察されている、東大バフェットさんのブログを紹介します。
かなり長い記事ですが、ドルコスト平均法についてもっと詳しく知りたい方は是非ご覧になってみてください。
【運用の時間分散】ドルコスト平均法のマヤカシを数学的に暴く!!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
私はドルコスト平均法が万能の投資手法だとは考えていません。
しかし、投資をまだしていない人がその手法の優劣について論じるのはナンセンスだと思います。
まずはやってみること、1年以上やってみてその上で自分のスタイルに合うのか合わないのかを見極めてから、自分には向いてる向いていないの判断をしたほうが良いと思います。
1年以上投資をしているなら少なくともビギナーの領域は出ているはずです。
まずは証券会社の口座をポチることから始めてみましょう。
今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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