2018年初に世間を騒がせた女性向けシェアハウス『 かぼちゃの馬車 』のニュースはまだ記憶に新しいと思います。
シェアハウスは近年増加している不動産の形態であり、若い人や外国人を中心に住まいとして人気を集めています。
今回の記事では、
『 シェアハウスとはどういったものなのか 』
『 入居者からみたメリットとデメリット 』
『 オーナーからみたメリットとデメリット 』
『 シェアハウス投資で失敗しないためにはどうすればよいのか 』
を中心に解説していきます。
目次
シェアハウスとはなんなのか?人気を集めてきたワケ
シェアハウスの定義
シェアハウスとは、ひとつの建物内で複数の入居者が共同生活を送る居住用不動産の一形態です。
リビングやキッチン、トイレ、バスルームなど水回りは共有スペースとなり、寝室は各自のプライベートスペースとなります。
最近ではテラスハウスなどのテレビ番組の影響もあり、広く知られる存在となりました。
魅力としては様々な入居者と気軽に交流が持てることや、入居に際しての初期費用が安いことが挙げられます。
また、一般的にリビングや水回りスペースも通常の単身用住居と比べると広いことや、物件によってはBBQなどを楽しめる屋上スペース、簡単なジムやシアタールームなどの設備を備えていることも魅力の一つです。
都心部の雑居ビルや戸建てを転用したものも多く、比較的好立地に位置する割には一般的なワンルームマンションよりお得な賃料設定が多いため、若者の人気を集めることができました。
入居者一人当たりのスペースは通常のワンルームマンションと比較すると、小さい面積で済むため、高い稼働率が条件とはなりますが所有者であるオーナーからすれば、利益を挙げやすい仕組みとなっていました。
シェアハウスのメリットとデメリット〜入居者編〜
メリット① イニシャル&ランニングコストが安い
まずなんといってもメリットとして挙げられるのが入居の際しての初期費用や生活費などを抑えることができることです。
シェアハウスには基本的に冷蔵庫・テレビ・洗濯機・ソファーなど生活に必要な家具・家電の設備が最初からそろっています。新生活を始めるにあたって出費が押さえられるのは嬉しいですよね。
敷金・礼金なしの物件も数多くあり、引越費用も節約することができます。 水道光熱費なども入居者で折半することになるので、単独で暮らすよりも安く済みます。
メリット② 仲間がいる安心感がある&交友関係が広がる
シェアハウスでは共有スペースで入居者同士の会話が生まれ、寂しさや孤独感を感じにくいう、というメリットもあります。体調を崩してしまった時などに頼み事ができるのも一人暮らしにはないメリットです。
また、個室もちゃんとあるため、ゆっくり読書したり音楽を楽しんだりといったことも可能なため、一人の時間も確保できます。
シェアハウスには、さまざまな人が集まります。
出身や年齢、職業が異なる人はもちろん、時には外国人の方と一つ屋根の下で過ごす場合もあるかもしれません。
普段の生活では決して出会うことのない交友関係が生まれるのもシェアハウスの魅力です。
シェアハウスの仲間と一緒にビジネスを始めてみたり、あるいは生涯のパートナーを見つけることも可能かもしれませんね。
デメリット 共同生活のトラブル
距離が近い交流関係はシェアハウスのメリットでもありますが、その一方シェアメイトと気が合わないと一転してデメリットになってしまいます。
まず挙げられるのが騒音トラブルです。
個室があるといっても壁は薄いので、もし相手が声が大きい人で夜中に電話していたり、動画や音楽を高ボリュームで流していたら、ストレスになってしまいます。
またリビングや水回りなど共同スペースの使い方にも個人差があるためトラブルになりやすいです。
生活スタイルは個人の育った環境などが大きく影響するので、神経質な人やコミュニケーションが苦手な人は思わぬストレスを抱えてしまうかもしれません。
シェアハウスのメリットとデメリット〜オーナー編〜
メリット 高い投資効率が期待できる
シェアハウスに投資する最も大きなメリットとして高い投資効率が期待できる、という点が挙げられます。
理由としてはワンルームマンションよりも部屋数を細かく区切ることができるためです。
例を挙げると、延床面積300㎡の建物がある場合、20㎡の部屋を15戸作るよりも、10㎡の部屋を30戸作ったほうが多くの入居者を集めることができ、利回りが向上するからです。
現実問題として共用スペースは必要なので、上記のケースだと50㎡前後は共用スペース(リビング、水回りなど)に当てられることになりますが、それでも通常よりは多くの入居者を集めることが可能です。
それゆえ同じ金額を投資するのであれば、シェアハウスのほうがワンルームマンションよりも投資効率が良くなり、収益性は高くなります。
デメリット① 管理が大変
シェアハウス投資のデメリットで最も大きなものは、管理が通常よりも大変だという点です。
一般的な賃貸物件と比較するとシェアハウスは入居サイクルが激しいと言われており、事務手続きが煩雑になる傾向があります。
労力を節約するために管理を委託しようにも、シェアハウスの運営・管理に精通した管理会社はまだまだ少ないため、管理委託手数料も通常の賃貸管理会社に比べると割高になる傾向があるのもネックです。
また上記の入居者デメリットにもあるように入居者同士のトラブルも起こりやすいため、
『 24時以降の電話は禁止。音楽や動画視聴の際はイヤホンを必ずつける 』
といったように事前にオーナー(または管理会社)が細かくルールを決めておいた方がよいでしょう。
デメリット② 銀行融資がつきにくい
デメリット2つ目は、一棟アパートやマンション投資と比較すると銀行融資がつきにくいという点です。
この背景にはレンタルオフィスやレンタル倉庫として届け出をしているにも関わらず、実態は異常に狭いスペースに入居者を住まわせていた脱法ハウスの影響があります。
シェアハウスは建築基準法では寄宿舎に相当するため、寄宿舎としての用件を満たしていることはもちろん、登記も寄宿舎で行われている必要があります。
上記『 脱法ハウス 』や『 かぼちゃの馬車 』事件のこともあり、金融機関としては、通常のアパート・マンション投資よりもシェアハウス投資をリスクの高い投資として位置づけており、融資を渋ったり条件を厳しくする傾向があるようです。
シェアハウス投資で失敗しないために
ここまで、シェアハウスの定義や入居者・オーナー、それぞれの立場からメリット・デメリットについて見てきました。
最後にこれからシェアハウス投資を考えている不動産投資家が気を付けたいポイントをまとめてみます。
法規制を事前に確認する
購入しようとする物件がシェアハウス(寄宿舎)の要件をきちんと満たしているかどうかの確認は必須です。
また、区分マンションをシェアハウスとして運用しようとする場合、そのマンションの管理規約がシェアハウスとしての利用を認めているかどうかも確認するようにしましょう。
差別化を図れるかどうか
ただ単に初期費用が安い、といった魅力だけでは客付けをするのは難しい時代になっています。
これからは例えば、
『 ネコ好きが集まるシェアハウス 』
『 バイク好きが集まるシェアハウス 』
といったように差別化が図れるシェアハウスが生き残れるでしょう。
そのため上記のようなユニークなコンセプトが実現できるのか?といったことも物件の仕入れ時にチェックしたいポイントです。
サブリース契約を信用しすぎない
かぼちゃの馬車問題はオーナーが不動産会社の謳うサブリース契約を全面的に信用してしまったために引き起こされた一面があります。
シェアハウス投資をする前に、物件価格やサブリース賃料は周辺相場と照らし合わせて適正な水準かどうか、解約や家賃見直しの規程、サブリースなしでも十分需要は見込める立地なのかどうかを入念に確認するようにしましょう。
美味しい話にはご用心、です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
これまで見てきたようにシェアハウス投資は、区分マンション投資や一棟アパート投資に比べると難易度が高い上級者におすすめの不動産投資に該当します。
いきなり手を出すのではなく、何年か不動産投資の世界で実績を作ってからがよいでしょう。
トレンドとして非正規雇用の人や外国人人口が増加していることから、今後も一定の需要は見込まれるので、引き続き市場のウォッチは続けていきたいところです。
今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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