米国経済: インフレ高止まりを示唆&今後の展望
米8月消費者物価指数(CPI)+2.5%
家賃とサービスが上昇し、インフレ高止まりを示唆
2024年9月11日にアメリカの8月の消費者物価指数(CPI)が発表されました。
市場予想を若干下回りましたが、サービスや家賃の価格が引き続き上昇しており、インフレの高止まりが意識される状況となっています。
8月のCPI全体とコア指数の動向
●8月のCPI(前年同月比):+2.5%(市場予想+2.6%)
前月の+2.9%から低下しました。
月次の伸び率:+0.2%(市場予想通り)
7月の伸びも+0.2%で、ほぼ同様のペースで推移しています。
●コアCPI(変動の激しいエネルギーや食品を除いたもの):前年同月比+3.2%(市場予想と一致)
7月の3.2%から変わらず、横ばいが続いています。
●エネルギー価格の下落
エネルギー価格:前年同月比-4.0%、前月比-0.8%
ガソリン価格も同様に7月から8月にかけて-0.6%と下落しました。これは、原油価格の低下と整合的な動きです。
●中古車価格の大幅な下落
中古車価格:前年同月比-10.4%、前月比-1.0%
中古車市場は7月も前月比-2.3%と大幅に下落しており、この傾向は止まらない状況です。
●サービスと家賃の上昇
サービス価格:前年同月比+4.9%
7月と同水準で推移しており、前月比で見ると+0.4%と7月の+0.3%からやや上昇しました。特に、輸送サービスが前月比+0.99%と大幅に伸びており、航空運賃の値上げが影響しています。
●家賃:前年同月比+5.2%、前月比+0.5%
7月の+0.4%からさらに上昇し、家賃の上昇がインフレの大きな要因となっています。
全体的に見ると、8月のCPIは市場予想にほぼ近い結果となりましたが、サービスや家賃の上昇が目立ち、インフレの高止まりが意識されています。
特に、サービス部門や家賃は下がりにくい傾向が続いており、インフレが簡単に沈静化しないことが示唆されています。
6月のCPIが発表された際には、インフレ懸念が和らぐ見方が広がっていましたが、今回の結果を受けて再びインフレの高止まりが意識される展開となっています。
この結果を受けて、利下げの期待はやや低下すると見られます。
FRBは9月に0.25%の利下げを行う可能性が高いと予測されておりますが、直近のアメリカ市場ではS&P500、NASDAQ、ラッセル2000の指数が揃ってマイナスに転じています。
特に9月は歴史的にパフォーマンスが悪い月として知られていまして過去100年以上のデータを見ても、9月は暴落が多く、リーマンショックの時も9月に株価が大きく下落しました。
そのような背景から利下げには確率は高いと考えられます。
日本の株式市場にも大きな影響を与えているアメリカの金融政策ですが、
年末にかけては円高圧力も強くなり日経平均株価上昇は難しいかもしれません。
一方で株式市場の落ち着きまたは日経平均の安値が見られれば都心のマンション上昇に一定の歯止めがかかる可能性も感じています。
直近の検討材料として、
景気交代と市場の動向、投資戦略の転換(日本株はいったん慎重に)が注目点となります。