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不動産コラム

コロナ時代の資産投資。ウィズコロナの分析とアフターコロナの投資事情はどう変わるのか?

コロナ時代の資産投資。ウィズコロナの分析とアフターコロナの投資事情はどう変わるのか?

目次

コロナ不景気によって経済はどう変化したか

1918~1920年に大流行したスペイン風邪以来のと、「100年に1度の大規模パンデミック」と言われている新型コロナウイルス(以下コロナとする)。

2019年12月に中国湖北省武漢市で初めて感染が確認されてから、一気に世界中に感染が拡大しました。

最早2020年は「コロナの年」と言っても良い程、私達の生活はコロナによって大きく変化してしまいました。

世界全体の実質GDP成長率は、2020年において-3.0%(予測値、国際通貨基金(IMF)のWorld Economic Outlook, April 2020より)となっています。

この数値がマイナスになるのは2009年以来で、2010年から2019年までは、2.9%以上の数値を維持してきました。

世界全体でのコロナの経済的な影響がとても大きい中、社会状況の変化によって、業界の経済的状況も大きく変化しました。

コロナによって、「大打撃を受けてしまった業界」と「寧ろ成長した業界」との明暗に分かれたのです。

今回は、このコロナ化で変化した業界状況において、投資ではどのようなポジションを取ればよいのかをまとめました。

ウィズコロナ時代と言われる今、将来のアフターコロナ時代も見据えて、どのように投資をしていけば良いのでしょうか。

ウィズコロナにおける投資事情

まずは、ウィズコロナにおける投資状況について見ていきましょう。

それぞれの投資分野で、どの様な変化があったのでしょうか。

株式投資

株式投資においては、2020年2月から翌月にかけて日経平均株価が30%以上も下落する等、株式はコロナの影響を大きく受けました。

しかし、この日経平均株価も2020年9月に相場下落前である2020年2月初旬程度の水準まで株価が戻っています。

この点を考えると、アフターコロナ後の株価の回復も見込まれますね。

この流れも読んでか、コロナ渦の中株式を購入する人も少なくなかったとの調査結果も出ています。

週刊東洋経済(9/19発売号)は、インターネット調査を8月上旬から約1ヵ月間行ったところ、回答者約6,000人のうち2割がコロナ渦をきっかけに資産運用を開始・再開していたことが分かったとの報告をしています。

また、コロナ渦での株価の低下を投資のチャンスと考えた人が多かったようです。

そして、コロナによって在宅時間が増え、その空いた時間を資産運用の勉強に当てた、という声も目立ちました。

つまり、ウィズコロナにおいては、積極的に控える必要はなく、寧ろ「株式の買い時」という印象が強いです。

不動産投資

次に不動産投資ですが、こちらはセクターごとにそれぞれの影響を見てみましょう。

「宿泊施設」

 コロナの大流行までは、東京オリンピックを控えて多くの宿泊客が期待されていた分野だが、そのプランが崩れたことによる痛手は大きい。業界全体が大きな打撃を受けている。

「オフィス」

 コロナに伴った外出自粛要請によってリモートワークが普及したことによって、シェアオフィスの需要が高まり、また自宅外のワークスペースへの関心も高まっている。

「物流施設」

 コロナ渦の中でネット販売の利用が盛んになり、重要性が再認識された物流業界において、特にその先進的な物流施設への注目が高い。

「賃貸物件」

 不動産においては、すぐには経済の低迷に対して影響は受けない、というのが定説。従って、不動産投資において、特に賃貸物件は家賃が安定しており、価格に大きな変化はみられない。

以上の様に、一口に「不動産」と言っても、セクターごとのコロナの影響は異なるのが分かりますね。

投資信託

最後に、ウィズコロナ時代の投資信託を見てみましょう。

コロナをきっかけとした株価の下落をチャンスとして積極的に投資を行う人が増えた、と先述しましたが、投資信託でも同じ現象が発生しました。

2020年3月には、いくつかの証券会社で積立型の投資信託が増えている、というニュースが出たほどです。

投資信託とは、「多数の利用者(投資家)から集めたお金をマトメテプロが運用する仕組み」のことを指します。

そして、この投資信託を「積立型」で行えば、時間と投資先を分散しているので、もし投資対象の価値が不安定であっても、後に価値が上昇すればプラスになります。

従って、この株価が安いタイミングで、アフターコロナ時代に価値が高くなることを想定した投資が増加しました。

アフターコロナでの投資環境はどうかわるか?予測

では、次はアフターコロナ時代の投資がどう変化するのかを考えていきます。

ウィズコロナの現在は、「不安と買い」の状況といえますが、アフターコロナはどうなのでしょうか?

ローリスクの安定的な投資需要が増える

まず言えるのは、やはりこのコロナによる不景気では、ハイリスクな投資需要は高まらないでしょう。

雇用の流動化を生んだコロナですが、影響のある業種には偏りがあり、実際に失業者も多くいます。

ですが、そんな中でも、やはり安定や将来への投資は必要です。

従って、この不景気の影響も考えつつ、かつ将来への投資も、と考えると、投資への動きは必然的に大胆になることはないでしょう。

アフターコロナの時代では、ローリスクで安定的な投資への需要が高まることが予想されます。

株価の乱高下は安定的に

当初、新型コロナの経済的影響によって急落した株価ですが、現在はというと、「実体経済と乖離的だ」と言われているほど安定してます。

なぜかというと、今回の様な経済的に大きな打撃が市場に発生した場合、政府や銀行の経済的措置(金融措置)によって株価が上昇する、といった現象が起こっているためです。

また、この背景には投資家たちの存在もあります。

これまでの同様の措置で株式市場が幾度か回復している、という経験をしているので、今回のコロナショックにおいても、今後市場が回復すると期待して、更に投資を行うのです。

従って、アフターコロナ時代に株価の激しい乱高下が発生する、という可能性は高いとは言えないでしょう。

不動産価値に大きな変化

それでは、不動産価値はアフターコロナ時代にどう変化するのでしょうか?

まず、これまでの不動産価格には、「交通の便の良し悪し」等の立地が大きく影響していました。

今後もその影響が大きく下がる、ということではありませんが、その影響力は低下する兆しが見られています。

その理由として、「コロナ渦によりリモートワークの利用が拡大した事」が挙げられます。

株式会社リクルートゴールディングスの調査によると、「リモートワークをきっかけに引っ越しを検討したか」という質問に対し、53%の人が引っ越しを実施・検討・希望しているという結果が出ています。

都市部においては、交通の利便性における少しの差が、不動産価格を大きく左右します。

ですが、今後リモートワークが定着すれば、寧ろ郊外の不動産の人気が高まる可能性が十分にあるのです。

リモートワークが定着すれば、高額な賃金を都市の物件に支払う必要がなくなり、「都市に比べて安価な不動産価格で自然豊かな生活環境で生活をする」という魅力が高まる、ということです。

そして、この魅力によって人々の不動産に対する価値感覚が変化すると、勿論その影響は都市の不動産価格に及びます。

アフターコロナ時代が到来し、すぐにこの不動産価値の変化が訪れるとは考えられませんが、ウィズコロナを経験した私達の中で、不動産による価値基準が少なくとも変化していることは、不動産価値を考えるうえで重要になってくるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の新型コロナウイルスによるパンデミックは、経済的な影響だけでなく、人々の価値観にまでも影響を与えました。

そんな中で、来たるアフターコロナ時代を、投資においてどんな対策を打つべきか、投資判断をどの材料で行うか、冷静に考えなければいけません。

状況を逐一正しくキャッチし、コロナ時代の投資資産を築いていきましょう。