株式投資や取引先の検討などをする際に、会社の情報を知るために利用する会社四季報。
非常に分厚い本で、ページを開くと小さな字で多くのことが書かれているため、苦手意識をもったり、どこに注目して良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか?
今回は、会社四季報の内容や、数多くの掲載情報の中から投資をする際に特に注目すべき点、株式投資をする上で掲載されている情報の効率的な読み方についてご紹介します。
目次
会社四季報とは?
会社四季報とは、東洋経済新報社から1年の間に4回発行される書物です。
日本国内に本社をおいている企業の名称や、所在地、代表者などといった基本な情報に加えて、これまでの業績や株価などの経済情報も記載されています。1936年に創刊されて以来、会社情報を知るための手段として浸透しているものです。
会社四季報に掲載されているのは何社?
会社四季報には、とにかく多くの会社の情報が掲載されています。
その数、3,785社。日本国内の上場企業が全て掲載されているのです。
ちなみに、同じ東洋経済新報社からは「会社四季報未上場会社版」も発行されています。会社四季報が上場企業の情報を掲載しているのに対して、こちらには、13,000社にも及ぶ未上場企業の情報が掲載されています。
会社四季報には何が書かれているの?
ここからは、会社四季報に何が書かれているのか、上場企業の何が分かるものなのかをご紹介します。
企業の情報
まずは企業の情報。
企業情報の項目は具体的には、以下です。
証券コード
企業情報の記載欄の一番最初に書かれているのは、4桁の証券コードです。こちらは上場企業それぞれに割り振られたもので、その企業を表す数字として用いられます。
会社名
会社の正式名称が記載されています。
決算月
「○月」というように、その企業の決算が行われるのは何月かが記載されています。
設立日
「○年○月」というように、その企業が設立されたのがいつかが記載されています。
上場日時
「○年○月」というように、その企業が上場したのはいつかが記載されています。
特色
特色には、その企業の実績や特徴が書かれています。例えば、国内の販売実績や市場シェア、子会社としている会社名などです。
事業構成
その会社がどの分野に事業を展開しているのか、そして、それぞれどれだけの割合で事業を行っているのかが書かれています。
また、海外へ事業展開している場合は、その旨も記載されています。
財務情報
続いて、財務情報です。この財務情報に書かれている主な項目は、以下の通りです。
ROE
まずROE(Return on Equity)とは、会社の資本に対して生み出された利益の割合のことです。このROEを見れば、その企業や展開しているビジネスがどれだけ収益性があるものであるかが確認できます。
ROA
ROA(Return on Assets)とは、会社がもつ総資産に対して生み出された利益の割合を示すものです。前述のROEと似ていますが、分母となる資産に借入(負債)を含むかどうかによって違います。このROAは、どれだけ効率的に利益を生み出せているかどうかが確認できます。
純資産
純資産とは、会社の持ち物としてある財産の総額のことです。
設備投資
会社四季報に記載される設備投資とは、オフィスの賃料や電気光熱費等の固定費などの会社を維持するために必要な固定の維持にかかった費用の総額のことです。最高純益をはじめ、会社の利益に対して、どれだけの設備投資をかけているのか、その割合に注目すると良いでしょう。
株式情報
続いては、株式情報です。会社四季報から分かる企業の株式に関する情報は主に2つです。
株主
会社四季報には、その会社の株主も記載されています。
記載されているのは、株主名簿に登録されている上位10の株主です。それぞれの持ち株数と、株式の総発行済数に対して、どれだけの割合の株式を保有しているかが記載されています。これをみることによって、その企業だけでなく主要株式となっている企業の経済状況からも、企業の状態を知ることができるようになります。
株価
会社四季報には、上場してから現在までの株価の最安値と最高値に加えて、直近3年間の株価をまとめたチャートが記載されています。
会社四季報を効率的に読む方法とは?
それでは、企業の情報の中から必要な情報を読み取る方法をご紹介します。
関心のある企業から読むこと
会社四季報は、ボリュームもあって掲載企業も記載項目も多いため、読むとなってもモチベーションがなくては読むことができないでしょう。まずはモチベーションを重視して、自分が興味のある企業や業界を見つけましょう。
各企業のページに記載されている内容も、非常に難しい情報ばかりですが、興味のある企業のことであれば、ある程度はモチベーションも保たれて内容も頭に入りやすいのではないでしょうか。会社四季報を読み取る力をつけるための第一歩です。
チャートを読み切ること
会社四季報には、各掲載企業の株価のチャートも記載してあります。特に株式投資の投資先を検討するために、会社四季報を見ようとしている方にとって、このチャートは、企業の情報が一瞬で分かる重要なものとなります。
チャートが右肩上がりで推移している企業を選ぶということは前提として、PERの程度などを見ながら、投資すべき企業を直感的に見つけられるのです。
ちなみに、ここでいうPER(Price Earning Raition)とは、株価を一株で発生する利益で割ったもの、もしくは、会社の時価総額を一株あたりの予想利益で割ったものを示します。
会社の業績を効率的に読むなら4点をチェック
会社の業績がどんな状態なのかを効率的に読み解くには、以下の4点をチェックしましょう。
- 売上高
- 純利益
- 営業利益
- 経常利益
単純に売上だけでなく、会社の経済状況をみるには売上の割合についても気にする必要があります。それぞれの値が、年間でおよそ10%ほど向上していれば順調と判断して良いでしょう。
キャッシュフローで見定める
会社の状態をみる上で欠かすことができないのが、キャッシュフローの状態です。キャッシュフローとは、会社で発生している収入と支出を示しますが、当然、そのキャッシュフローの推移がマイナスが続いている会社については、どんなに売り上げが合ったとしても状態はよくないと読み取れます。
キャッシュフローに関しては、会社四季報に掲載している複数の項目から、収支を表している必要なものを抽出して求める必要があります。このように、数ある掲載項目の中から、必要な情報を取り出して、分析に必要な情報を得ることも会社四季報を読む上では応用的ではあるものの大切なことです。
まとめ
今回は、会社四季報の内容や、数多くの掲載情報の中から投資をする際に特に注目すべき点、株式投資をする上でそれらの情報の効率的な読み方についてご紹介しました。
紹介した内容をまとめると
- 会社四季報は、日本国内の上場企業全ての情報が掲載されている
- 掲載情報そのままではなく項目を分析することで会社の現状が分かる
- 株式投資先を選ぶ上で重要な情報源となる
これらをしっかりと頭に入れて、分厚く内容も多く複雑な会社四季報を効率よく読んで自分の欲しい情報を手に入れて、株式投資に生かしましょう!