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新型コロナウィルス後の「アフターコロナ」のライフスタイルを考える その2

新型コロナウィルス後の「アフターコロナ」のライフスタイルを考える その2

目次

内側を外に向かって広げる

国を挙げての外出自粛は、なかなかつらいものがありますが、自分の家での生活、あるいは家族との生活を見直すよい機会になっています。

今まで見てみないふりをしていた部屋の片づけや、思い切って断捨離に励んでいる方もいらっしゃるでしょう。また、料理にケーキやパン作り、ガーデニング、手芸、DIYなど、忙しい生活ではなかなかできなかったことに挑戦している方も少なくないはずです。

こういう暮らし方の変化によって、新たなビジネスや市場が生まれていくことは間違いありません。コロナが終結しても、時代が〈ビフォアーコロナ〉にそのままもどることはないのですから、〈ウィズコロナ〉の体験をプラスに活かしていくことが欠かせませんね。

家でもアウトドアを楽しみたい

家中心の生活は、家庭内不和というネガティブな側面もあぶりだしているようです。そこまでいかなくても、限られたスペースで、毎日顔をつきあわせているとストレスがたまることも少なくないでしょう。あわせて、運動不足、太陽光不足は不健康の元です。

そこで、私が提案したいのは、家の中だけに閉じこもるのではなくて、窓や扉を開けて、ベランダやバルコニー、庭に出る、身近にある「外」を活用するということです。

これらは、家の領域であって、外でもある。まさに家(プライベート)と外(社会)をつなぐ場所で、双方の中間といえる役割を果たしています。

インテリアの延長として、花や植物を育てながら自然の変化を感じるのもいいでしょう。野菜の苗を植えて、家庭菜園作りを始めるのもいいアイデアです。

そうしてだんだん居心地のいい空間ができてきたら、今度はここに椅子やテーブルを置いてゆっくりくつろいでみませんか。ヨーロッパのインテリア見本市をのぞくと、こういう家の外で使う家具が非常に充実していることに驚かされます。

オープンエアで食事することを当たり前に楽しんでいる海外に比べると、日本はまだまだ抵抗感のある人が多いようです。紫外線や虫が気になるという人も少なくないでしょう。それ以上に、伝統的に内と外との境界をはっきり持つ日本人にとっては、他者の目が気になるのかもしれません。

いきなり食事といかなくても、まずお茶をするのから始めてみるのもいいですし、読書や昼寝、そして朝日を浴びながらの朝食というふうに、今まで家の中でやっていたことを一歩外に出てするようになると、退屈になりがちな日常も新鮮に思えてきます。

また最近では、キャンプと同じ感覚で、庭にテントをはって一夜を過ごすという楽しみ方をする人も増えているようです。特に子供たちは喜ぶことでしょう。

要は、日常的な家の生活の中で、いかに非日常をつくりだして楽しむかということではないでしょうか。食卓のテーブルセット一つとっても、アイデア次第で非日常を演出することはできるのです。

内と外の境界があいまいになる

日本人のライフスタイルにとって、これからは内と外との境界があいまいになってくると思います。

現に、このコロナ禍によって、近所ではオープンエアで家族と共に食事をしているような光景を目にするようになったのです。筆者の住む周りは、広めのバルコニーのある家が結構多いのでが、今までそこでくつろぐような姿はほとんど見ることがありませんでした。もちろん、煙のにおいや騒音には注意するなど、マナーを守ることは必須です。

これは衣食住すべてにおいていえることで、衣服においても、今までとは異なる新しい視点が必要になっています。

今までは、夜、仕事から家に帰ってきたら、外で着ていたものを脱いでいきなりパジャマだった人も、家で過ごす時間が長くなると、仕事着(外着)でもパジャマ(スリープウエア)でもない、もう一つの衣服である、ホームウエアが必要になります。ここにきて、アパレルメーカーはこぞってルームウエアの提案に躍起ですが、まだまだくつろぐことだけを重視したようなラクなものが主流を占めています。

ところが、家では単にくつろぐだけではなく、仕事着の要素も求められますし、(オンラインなどで)人と会うための他者の視線も気にしなくてはなりません。

リモートワークが浸透して、家で仕事をする人が増えてくると、それまでと違ってプライベートと仕事の切り替えが難しくなってくるでしょう。そこを身に着けるものによって、気持ちを切り替えるというわけです。女性は化粧をするかどうかで切り替えする方法もありますね。

このように、家や家族を軸にした生活の質を高めていくと、隣近所やコミュニティと共存していく、自然環境問題にも興味を持つというふうに、発想が広がっていくのではないでしょうか。

【おすすめビジネス書】

グレース・ボニー著・月谷真紀訳 『自分で「始めた」女たち』 (海と月社)

360ページ(20.2 x 15 x 2.2 cm) 定価2900円+税

「ニューヨークタイムズ」でベストセラー(全米30万部)になったという同著。日本でも昨年5月に発売直後から好評で、コンスタントによく売れています。

表紙からうかがえるように、さまざまな職業を持つ、多様なマイノリティや幅広い年代の女性たち、112人のインタビューをもとにしたもの。ボリュームのある本ですが、カラーの写真も多く使われていて、雑誌感覚の読みやすさが魅力になっています。

著者のグレース・ポニーは、クリエイター向けのウエブサイトを主宰している人。

副題に“「好き」を仕事にするための最良のアドバイス&インスピレーション”とあるように、示唆に富んだ内容です。

女性に限らず、起業をめざすあらゆる人たちに勇気を与えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

中と外の境界が曖昧になり、新しい生活スタイルが生まれてきているのかもしれません。
次回以降も新型コロナウィルス後のライフスタイルをテーマに連載をさせていただきます。

今回は以上となります。 最後までお読みいただきありがとうございました。