今回の選挙について、自民党と公明党がギリギリで過半数を確保するだろうと予想していました。
しかし、現在の開票結果を見ると、自民党・公明党連立が過半数割れし、自民党の得票が思ったより伸びず、公明党も議席を減らしました。
一方で、立憲民主党が大きく議席を伸ばし、大幅な議席の増加となりました。
今回の選挙は日本の経済について復活が期待できるのかどうかとう経済問題が最も重要なテーマであると考えていましたが、
テレビを中心としたメディアは
『自民党の裏金問題を中心に取り上げて』
結果的に反自民の票が伸びたようです。投票率が低いとの見方もありましたが、予想以上にというか、相変わらずテレビメディアの強さがもあって反自民という空気がコントロールされてなぜか立憲民主党に票が集まりました。
今回の選挙に関しては、マスコミが争点を「裏金問題」に集中させ、自民党に対する批判的な空気を作り出していたように感じます。
裏金問題より本質的に重要なことはたくさんあります。
本来の選挙の争点は、政策について、つまり経済問題や国防の課題にも焦点を当てるべきだったはずです。
例えば、若者が結婚や子育てをあきらめる現状や賃金の伸び悩みなど、日本の経済の立て直しが最も重要なテーマであったはずです。マスコミの正しいあり方としてはこのように日本経済についてどのような方針が正しいのかを報道すべきでした。しかし、テレビメディアと中心としたマスコミはこれらをあまり取り上げず、裏金問題に終始したように感じます。
さらに、国防の問題は非常に重要です。政権が傾くと他国からの侵略を許してしまう可能性が高まります。ロシア・ウクライナ戦争が続く中、北海道への脅威や中国の台湾侵攻の可能性、北朝鮮のミサイル問題など、日本の安全保障は本当に危機にさらされています。このような国防問題についても、もっと議論されるべきでした。
2009年に政権交代が実現し、民主党が政権を担うことになりましたが、3年間の短い期間で3人の首相が交代するという異例の事態が発生し、増税のきっかけを作った政党であることを国民は忘れてしまったのでしょうか。
1,鳩山由紀夫(2009年〜2010年)
民主党の初代首相で、普天間基地移設問題における対応が混乱を招きました。「最低でも県外」と約束していた基地移設が実現できず、公約違反と批判され、首相辞任に追い込まれました。
⇒政権運営ができない証拠
⇒日経平均株価の年末値 2009年: 約10,546円
●普天間基地移設問題
鳩山首相時代に発生した普天間基地移設問題は、政権の不安定さを強調する重要な出来事でした。
民主党は選挙公約で「最低でも県外」へ基地を移設すると掲げましたが、米国との合意や国内の政治的な調整が進まず、最終的に約束を守れずに現状維持の方向に転じました。この公約違反が大きな批判を招き、鳩山政権はわずか8ヶ月で終わりました。
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2,菅直人(2010年〜2011年)
鳩山氏の後任として首相に就任。就任後まもなく、東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故が発生し、これに対応することになりましたが、危機管理の遅れや不十分な情報開示が批判されました。
⇒政権運営ができない証拠
⇒日経平均株価の年末値 2010年: 約10,228円
●東日本大震災と福島第一原発事故
2011年3月の東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故
政府の対応が遅れ、原発事故への対応が十分でなかったため、国民から大きな批判を受けました。また、避難指示や放射能の情報が錯綜し、住民に混乱をもたらしました。この危機管理の不備が、政権運営ができないとここで気づきました。
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3,野田佳彦(2011年〜2012年)
菅氏の辞任後に就任。消費税増税を決定したことで党内外の支持を失い、結果的に総選挙で大敗し、民主党は政権を失いました。
⇒政権運営ができない証拠であり、経済が最大限混乱
⇒日経平均株価の年末値 2011年: 約8,455円
●消費税増税を巡る混乱
野田政権下では、財政健全化のために消費税の増税が決定。
消費税を10%に引き上げる法案を成立させたものの、党内では増税に反対する勢力が強く、党内分裂を引き起こしました。
※2013年からのアベノミクスにより経済復活への輪郭が見えました。
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【マニフェストの不履行】
民主党は、選挙時に多くの大胆な政策(マニフェスト)を掲げていましたが、その多くが実現しませんでした。
高速道路の無料化、子ども手当の導入、農業の個別所得補償など、多くの公約がありましたが、財政面や実施方法の問題から、期待通りに実行されませんでした。これにより、国民の間で「公約違反だ」との批判が高まり、支持を失いました。
また、マニフェストの実現に必要な予算をめぐる不透明な対応や、財政赤字が拡大する中で無理な政策実行が議論を呼びました。
選挙結果を見る限り、自民党に厳しい結果が出ていますが、これはただ単に反自民票が立憲民主党に集まったというよりも、与党に対する批判票が積み重なった結果だと思います。立憲民主党が政権を担うには現実的な政策が必要であり、かつての民主党政権の失敗を繰り返さないようにする必要があります。あの時代は経済が混乱し、安倍政権が登場するまで状況は改善されませんでした。立憲民主党が再び政権を取るとなると、日本の経済はまた厳しい状況に追い込まれる可能性が非常に高く、さらに失われた10年が続く可能性すら出てきます。
今回は政治の問題がテーマとなっていますが、一番の問題はメディアの質の低さです。
つまり、報道の質が低すぎる・未来ではなく目先の報道しかできないがゆえに招いている結果であると強く感じます。
テレビメディアを作り上げる中高年の日本に対する課題意識が変わらない限り、日本での経済再生がまだまだ時間がかかると感じてしまう残念な結果でした。
今後も不定期ではありますが、経済を中心とした情勢について記載して参ります。