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不動産コラム

個人投資家・ファイナンシャルプランナーが教える資産運用(初級者編 vol.6)

個人投資家・ファイナンシャルプランナーが教える資産運用(初級者編 vol.6)

個人投資家兼ファイナンシャルプランナーの堅塩です。第6回目の投稿となりました。

前回は「具体的な株式投資の入門知識」についてお伝えしてきました。

その後、読者の方々は実践に移せていますでしょうか?

今回の記事では、株式投資から少し外れて、ご質問が多かった「ポートフォリオ」についてお話したいと思います。

そもそも資産運用を行っていく上では個人個人の持っている資金をどの様な資産に分配するのかを考えて投資を行っていくことが大切です。

以前の記事でも書いたように、資産といえど様々な種類があります。

株式投資に始まり、不動産投資、外貨投資、投資信託、コモディティなど幅広い投資先があり、私達はそれらの中から自分の目標や性格に合わせて投資先を選択していく必要があります。

皆さんの持っている資産を「守る」ためにも、1歩踏み込んでこのポートフォリオ作成を考えていきましょう。

目次

ポートフォリオとは?

「ポートフォリオ」とは簡単にいうと「金融商品の組み合わせ」です。

これから資産運用を進めて行きたいという入門者の方に言葉を合わせるのであれば、

「これから、”どの様な金融商品”(または金融資産)に”自分のお金”を何%ずつ投資するのか?」

を表すものだと考えて下さい。

そもそも、「ポートフォリオ」という言葉の語源は「紙ばさみ」や「書類入れ」から来ています。

というのも、その昔は、株や証券の様なペーパーアセット(紙の資産)を紙ばさみなどでまとめて管理していたことから言葉の意味が転じて、

現在では個人または企業が保有する「金融商品の組み合わせ」のことを指すようになりました。

5年以上の長期的視野で投資を行っていく場合、自分に合った「ポートフォリオ」を作成していくことは非常に重要になります。

具体的な事例を考えてみましょう。

例1)

例えば、ある個人投資家Aさんが今までためてきた200万円の貯蓄の半分から株式投資を始めたとしましょう。

その場合、Aさんのポートフォリオは

 現金(日本円):100万円(50%)

 株式(国内株):100万円(50%)

という形になり、かなり偏ったポートフォリオになっていると言えます。

というのも、(そんなことは起こり得ないとは思いますが)もし、この日本という国に大きな問題が起こり日本円の価値が全ての通貨に対して半分になってしまったと仮定します。

単純に考えると、世界から見て、日本円や日本株、日本にある不動産の価値が半分に低下してしまうことになります。

この場合、Aさんの保有している各種資産は全て日本円をベースに組み立てられているので、Aさんの資産は半分となる可能性がありますよね。

  ※もちろん実際は様々な要因が関わるためそのとおりではありません。

例2)

一方で個人投資家のBさんという方をみてみましょう。

BさんもAさんと同じ様に今までためて来た200万円の貯蓄の半分から資産運用を始めようと考え、

米国株に投資したとしましょう。

その場合のBさんのポートフォリオは

 現金(日本円):100万円(50%)

 株式(米国株):100万円(50%)

となり、例え日本円の価値が半分になったとしても米国株100万円の価値は下がりません(むしろ対円関しては上がる可能性があります)ので、資産を50%以上減らすということはないでしょう。

この様に、皆さんの保有する資産を様々な国の様々な資産に分散させる事により、

日本や世界がどの様な状況になったとしても自分の資産を守り、

場合によっては増やすことにつなげることができるようになります。

これが私達が長期投資を行うためにポートフォリオを作成する理由です。

この辺りの説明は以前ご紹介した「資産三分法」にも共通した考え方です。

では実際にどの様にポートフォリオを作れば良いのでしょうか?

主な資産は「5✕3」で考える!

では、実際にポートフォリオを作っていきましょう。

そもそも資産運用の世界で私達が投資できる一般的な資産は大きく5つあります。

 1:為替(現金)

 2:不動産

 3:債券

 4:株式

 5:コモディティ 

  ※市場の大きい順番に列挙

そしてこれらの資産を組み合わせた「投資信託」という金融商品があります。

この5つの資産を更に

 A:(日本)国内

 B:先進国

 C:新興国

という3つの地域に分けることができます。

 ※またこの他にも「グローバル」や「エマージング」など地域を別軸で分けたものもありますが、本記事では基本のお話をお伝えしたいので割愛

まず,初めてポートフォリオを作るという方は、

この「5資産✕3地域」をベースにポートフォリオを作っていきましょう。

※本来であれば、それぞれの資産や、地域の特徴なども解説を行いたいのですが、そんな理論よりも具体手法を教えて!という読者の方も多いと思いますので、各種資産の特徴などは今後の記事で紹介するとして、本記事では具体的な作成方法に絞ってご紹介しましょう。

ポートフォリオを考える上で便利なのは「投資信託」

では具体的な作成方法についてお話します。

今回はモーニングスターというWEBサイトを使った簡単な作成方法をお伝えします

大きくステップは4つです

ステップ1:持っている全体資産と、運用可能額を考える

まず最初のステップは、皆さんの持っている金融資産の総額を調べて下さい。

基本的には資産運用は「余裕資金」で行うものなので、皆さんの持っている資産(貯蓄)の内、

   ・直近1年以内に使う予定のお金

   ・半年間生活できるお金

を差引いた「投資可能資金額」を計算して下さい。

また、いつもの生活費から毎月積み立てが可能であるという方は、毎月いくら位の積立が可能であるかも考えてみて下さい。

ステップ2:投資先資産を決める

次に、モーニングスターのHP(https://www.morningstar.co.jp/)へ移り、

タブ内の投資信託を選択し、簡単ファンド選択を選択します。

  ↑ここをクリック

「早速ポートフォリオを組んでみる」を選択し、目標金額に必要な利回りでのポートフォリオを組んでみます。

ここでステップ1で考えた情報と目標を入力して下さい。

するとおすすめのポートフォリオバランスを紹介してくれます。

出てきたこの割合をベースにポートフォリオを作成していきます。

ステップ3:実際の商品を当て込む

ステップ2までで土台となるポートフォリオのバランスが見えてきたので、

これをノートまたはエクセルなどに書き起こし、

この割合を元に、それぞれの資産に対応した金融商品を当てはめていきます。

これで簡易的なポートフォリオの作成が完了します。

ただし、私の様に日本株投資を中心に運用を行っているという方や国内に不動産をお持ちの方は、

ここで出たままポートフォリオを作成してしまうとどうしても国内資産比率が高くなるので、

各資産の過去3年、過去25年の平均パフォーマンスを調べてご自身で求めるパフォーマンスを作成することをおすすめします。

 ※本方法については別の記事で記載します。

 ※また、このモーニングスターのサイトの場合コモディティが含まれないため、コモディティを含む場合も同じ様に自身で検索して作成する必要があります。

自分に合ったポートフォリオを考えよう

今回の記事では簡単なポートフォリオ作成について記載しましたが、

ポートフォリオを作ることによって皆さんの資産を「増やす」だけではなく、なにか大きな問題が起こったときに「守る」ことにも繋がります。

なので、最初は小さくても良いので、ご自身の資産を分散させるポートフォリオを意識して資産形成を進めてみて下さい。

次回以降で今回説明できなかった「5✕3」資産の特徴についてもお伝えしていきます。

まとめ

今回は以上になります。

資産を分散させるポートフォリオ。

自身の資産を増やすためにも、また守ためにも一度考えてみてもいいかもしれませんね。

最後までお読みいただきありがとうございました。