中国とブラジルが米ドルを利用せず、自国通貨で取引することに合意したとブラジル政府が発表されました。
ブラジルは中国と関係性が非常に深く、
2022年の2国間貿易額は1505億ドル(20兆円規模)と非常に大きな規模で、ブラジルにとっては中国は最大の貿易国となります。
中国は、ロシアやインド、パキスタンとも通貨協定を結んでいるうえ基軸通貨である米ドルの流れを変える動きを粛々と続けており、すでにBRICSではドル離れは加速しています。
さらに中東の雄であるサウジアラビアは、中国とはエネルギーセクターにおいて米ドルを使用せずに貿易していることが2023年の1月に報道されています。
この報道で読み取れるのは、
『世界の基軸通貨である米ドルのポジションが揺らいできている』ということです。
1921年に世界の基軸通貨となった米ドルは、世界各国と貿易する際には必須となり、約100年弱続いていたわけですが、
基軸通貨の歴史はスペインペソから始まり、オランダのグルデン、イギリスポンド、米ドルと100年サイクルくらいで取って代わられています。
中国が米国のGDPを抜き去るのは5年後の2028年と予測されています。
今までは米国株式だけ積み立てていればOKと株式投資の世界では言われてきましたが、
これからの未来はそれだけでは大きなリスクとなることを示唆しており、
基軸通貨の転換期を世界第2位の経済大国である中国が主導しているということで現実的な未来になりうることを視野に入れたほうが良さそうです。
地政学的な要因、中国の政治体制から考慮すると米ドルが基軸通貨から脱落することはすぐには考えられませんがこのような背景があることに注視しつつ、ゴールドや仮想通貨は一時的な避難所になる可能性が高い、という内容をお伝えいたします。
https://www.straitstimes.com/world/china-brazil-strike-deal-to-ditch-dollar-for-trade