個人投資家間ファイナンシャルプランナーの堅塩です。早くも第3回目の投稿となりました。
前回は皆さんが「資産運用に入る前の投資戦略」と「資産の三分法」についてお伝えをしましたが、今回は実際に「資産運用始める道すじ」をお伝えしていきたいと思います。
前回の記事を読んで頂いて、「よし資産運用を始めよう!」と息こんで頂いた方もいらっしゃるかもしれません。
前回の記事前半で「資産運用は集中投資からスタートするのがオススメ」とお伝えしましたが、実際にどのタイミングからどのような資産に資金を振り分けていくと良いのでしょうか?
このあたりの答えがほしいと思われている方もいらっしゃると思いますので、
今回の記事では、スタート資金別に選択できる資産運用の方法についてのお話をしていきたいと思います。
目次
資産運用の王道
資産運用の王道パターンとして
「ペーパーアセット(紙の資産)→リアルアセット(実物の資産)」
と言う流れがあることをご存知でしょうか?
資産運用で多くの富裕層と呼ばれる方々(野村総合研究所の定義では、純金融資産を1億円以上保有している方を指します)は、
まず「ペーパーセット」と呼ばれる、「株式投資」「債券投資」「外貨投資」から資産を増やしていき、その後「リアルアセット」と呼ばれる「不動産投資」「コモディティー(商品)」などに資産を移していく傾向があります。
なぜ、このような流れで資産形成をしていくのでしょうか?
スタート資金0〜30万円までのモデル
実際のスタート資金から逆算してそれぞれの資産運用の特徴を考えていきましょう。
0〜30万円までで資産運用をスタートしようと思う方は、
まずは資産運用を行う前に貯蓄を行うルールを身につけたほうが良いと言えます。
というのも30万円未満の場合、どうしてもマイナスが出てくると直接、私達の生活に影響が出てきてしまいます。
そうなっては、資産運用を行うルール以上に「個人の感情」に流された判断をしてしまうため、余程精神が強い方でない限り、誤った運用ルールを実行してしまします。
なので、まずは余裕資金を作るためにも貯蓄ができる体質に体質改善をしてから資産運用に臨んでください。
すべてのベースとなる「先取り貯蓄」
実際にオススメなのは、「先取り貯蓄」行っていくことです。
先取り貯蓄とは毎月一定の金額を自分の収入から貯蓄に先に差し引いて貯蓄をする貯蓄方法の事を指します。
そもそも、お金を貯めることが苦手だという方は、自分の下に入ってきた収入(例えば、給料や賞与、配当金)からすぐにお金を使う傾向があります。いつの間にか気づいたら貯蓄ができなかったという経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか?
一方で、「先取り貯蓄」とはなにか?というと、収入が入ってきたタイミングでその収入の内一部を先に貯蓄に回すと言う方法です。
この先取り貯蓄の仕組みを導入することができれば、自身の感情に関わらず、自動で余裕資金を作ることができるます。
先取り貯蓄を行う際には、金融機関にある自動送金などを使っていただくと容易に貯蓄を行うことが出来るので、おすすめです。
少額スタートはレバレッジが使えるFXがオススメ
生活資金に余裕ができれば、実際に資産運用を経験していきましょう。
オススメは、少額らスタートすることができるFXです。
FXの特徴としては、レバレッジという機能を活用することで、少ない資金からでも大きな資産を運用する事が出来るようになります。(日本国内では自己資金の25倍までのレバレッジをかけることが可能です)
この特徴から、FXは年間平均30%以上の運用利回りを目指すことも可能であるため、コツコツと運用を続け、まず100万円の資産を目指してみて頂くと良いでしょう。
30万円〜300万円の資金がある方は「株式投資」を組み合わせる
運用資金に30万円以上の余裕がある方は、FX以外の選択肢として株または債券などを選択することができるようになります。
特にこれから資産を増やしていきたいという方にオススメなのは「株式投資」です。
株式投資の特徴としては身の回りの生活に関わるチャンスやヒントを元に資金を増やすことができるため、比較的生活に根付いた形で資産運用を進めることができる点にあります。
特に国内株であれば、最低購入金額が平均10万円程度、低いものだと1万円以下の銘柄もあり30万円以上の資金があれば3〜5銘柄以上に分散投資をすることができるため、(精神的に)安定した資産形成を望むことができます。
ただしあまりにも株価(最低購入金額)が低い銘柄(低位株と呼びます)は、その株価の値動きの激しさから、ルールに伴わない動き方をすることも多いため、株式投資の初心者の方にはあまり強くお勧めできません。
株式投資もルールをしっかりと身に付ければ年間10%から20%以上の利回りを目指すことができるため継続した資産形成を目指していくことができます。
ここまでの集中投資で300万円以上の資産の形成を目指してください。
300万円〜1,000万円になったら、一部を分散させる
そして、株やFXで資産を300万円以上にできたら、次のフェーズとして投資信託に分散させることを検討し、場合によっては不動産投資に投資分野を変更して更に資産を増やしていくことを検討していきます。
このフェーズまで資産が増えてくると運用を行う中で「攻める」運用だけではなく、
「守る」運用も一部検討し、どのような相場の中でも着実に資産を増やせる状態を作る事が大切です。
その中でも、投資信託は、様々な資産に分散させることが出来るため、非常に利便性が高いものになります。
ただし、投資信託に関しては、私達が目指すことが出来る最大の年間利回りは8%までと言われていますので、
(それ以上の利回りを目指す場合、投資信託の特徴を十分に活かしきれないため、多くのシミュレーションサイトでも計算不可となる傾向があります。)
すべての資金を投資信託で運用するのではなく、一部の資金を投資信託に回し将来のために安定的な運用を行い、残りの資金を株やFXなので成長させるハイブリット形態の運用がおすすめです。
更に、このフェーズになると「不動産投資」も選択肢として選ぶことが出来るようになります。
というのも。不動産を購入しようと考えると、現金だと数百万円〜、融資を活用したとしても、今の時代最低でも300万円以上ないと融資が組めないと言われています。(※一部金融機関・個人属性は除く一般論として)
なので、まずは区分などの少額で購入できる物件から経験を重ねていくことを視野に入れ、不動産投資にチャレンジすることも考えてみてください。
1,000万円を超えたら、不動産投資で将来を見越した運用を行う
次に、資産が1,000万円を超えてきたら本格的に不動産投資を行いましょう。
不動産投資は今までお話してきたペーパーアセットとは異なり、現物があり保有する物件に入居が決まれば、ある程度の収入が保障された状態で運用を続けることができます。
どういうことかというと、多くの富裕層が不動産投資を行う大きな理由として、
「将来の収入を見通しやすい」と言う特徴がある事が言われています。
というのも、株やFXの価格変動は1日で数%〜数十%以上動く場合もあります。
一方で不動産投資における家賃収入はそこまで大きく変動することはありません。
皆さんも賃貸に住んだ経験があれば、お分かりかと思いますが、
今、住んでいる物件の家賃が翌年に2倍になったりさらに翌年に半分になったりすることってありえると思われますでしょうか?
さらに、首都圏にある同じ間取りの物件であれば、築15年の物件と築25年の物件の家賃に大きな違いが出るとは思えません。
エリアにもよりますが、築15年の物件の家賃が15万円だとすると築25年の物件の家賃は14万円程度であると想定されます。
つまり、不動産から得られる家賃収入は変動幅が小さく、10年以上にわたって想定することができる(計算することができる)と言うことです。
これこそが、今も昔も不動産投資が多くの富裕層に人気がある理由なのです。
不動産投資は最初の物件で失敗しないことが大事
ただし、途中でも記載した通り、私達が不動産を購入しようと思うと考えた時には、頭金が必要になってきます。
不動産投資は、1度でも失敗物件を購入してしまうとその金額が大きい分、その失敗を取り返すのが非常に困難です。
なのでまずはペーパーセットで資金を形成し、その上で不動産投資の土台を作っていくこれが1億円以上の資産を形成していくための王道となってくるということです。
3,000万円以上の資産を保有したらアセットマネジメントで「守る」運用
そして運用続け、資産が3,000万円以上になれば、今度はアセットマネジメントを考えていきましょう。
「分散投資」と一言で言っても、
今の時代、日本国内だけではなく、先進国/新興国含めたグローバル視点での分散投資を行ってことが必要になってきます。
その上で活用できるのが、先程も出てきた投資信託です。
投資信託を活用した分散投資の考え方に関しては今後1つの記事としてお伝えしようと思いますが、前回お伝えしたように保有資産を「株、債券、不動産」の3つの資産に分散させ、さらに国内だけではなく海外も含めた形での分散を行っていくことを考えていきましょう。
ここでも増やすペースを落としたくないという方は、
集中投資と分散投資の割合を調整し、「大きなミスをした時に取り返すことができる状態」を意識して目標金額までの運用を続けてください。
目標に到達したら
最終的に目標とする金額に到達した後は、資産を分散させ、
「守る」運用
つまり資産を減らさない状態を作っていきます。
これが多くの富裕層が行っている資産運用の道筋です。
「富裕層の”今”をマネるな!」
となってくると、実は富裕層が”今”行っている資産運用を私たちが真似てもお金が増えないと言うことになります。
なぜなら彼らは資産を
「増やす」フェーズ
ではなく、
「守る」フェーズ
になっているからです。
なので、これから資産を増やしていきたいと考えている方は、富裕層の運用方法をマネるのではなく、
富裕層が資産を形成してきた方法をマネていくことを意識してみてください。
まとめ
初めの一歩を踏み出そう
今回は以上になります。
目指すべきゴールとフェーズによって、投資に求められる手法が異なるということが言えると思います。
是非ご自身のフェーズを確認して、最初の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
今後も皆様の勉強のお役に立てるような資産運用の知識やルールに触れていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。